基本的なスペックを確認

基本的なスペックをみると、CPUソケットは第6世代Intel CoreプロセッサをサポートするLGA1151。メモリはこれも第6世代Coreプロセッサから対応するDDR4メモリをサポートしている。

Skylake用のLGA1151ソケット

OCメモリのサポートはDDR4-3600までとの記述があるが、MSIが公開している検証リストのなかには最大DDR4-3866までの各社メモリが掲載されている。やはり「XPOWER」だけあって、「GAMING」モデルよりも先んじてOCメモリの検証が進んでいるようである。OCメモリを使いたいという場合は、よい選択肢となるだろう。

メモリスロット。スロット周囲にはDDR4 Boostが確認できる

また、メモリ回路を周辺の部品から独立させ。信号の安定性を保つ「DDR4 Boost」やXMPの適用時に点灯する「XMP LED」といった機能も備えている。

拡張スロットは、PCI Express x16スロットが4本あるので、CrossFireは4-wayまでサポート。その際のレーン数はx8/x4/x4/x4となる。SLIは2-wayまでのサポート。3-wayや2-way時のレーン数はx8/-/x8/x4となる。ほか、x16/-/-/x4としても利用可能だ。ゲーミング用途におけるグラフィックスの拡張性も十分と言えるだろう。

拡張スロット。4本のPCI Express x16スロットにより4-way CrossFireや2-way SLIをサポート

CEASEFIREスイッチ。CEASEFIREディップスイッチにより、カードを挿した状態でも強制的にレーン数を指定、無効化することもできる。その横のPOSTコード表示LCD(デバッグLCD)は、ブート時ならPOSTコードを、起動後はCPU温度を表示する

ストレージは、SATA 6Gbps×6(うち4ポートはSATA Express×2と排他)、追加チップによるSATA 6Gbps×2、M.2スロット×2となる。SATA ExpressはPCI Express Gen3 x2接続、M.2はPCI Express Gen3 x4接続をサポートしている。ただしIntel Z170マザーボード全般で言えることだが、レーン数の制限により一部は排他使用となる。ここはマニュアルをよく読んで構成を決定しよう。

Serial ATA 3.0は計8ポート、うちSATA Expressは2ポート

M.2スロットを2基搭載しており、一部拡張スロットに制限も発生するがRAID構成も可能

バックパネルには、PS/2(GAMING DEVICE PORT)、USB 2.0×3、USB 3.0×4、USB 3.1(Type-A)×2、DisplayPort、HDMI×2、LAN、各種オーディオ、CMOSクリアボタンがある。USB 3.1ポートを2基備えるが、ともにType-Aとなっているのは、おそらくOC用途ではまだType-Aのほうが使用率が高いためではないだろうか。こういった部分でオーバークロック向けマザーボードらしいストイックさを感じる。

PS/2(GAMING DEVICE PORT)やCMOSクリアボタン、BIOS Flashback用のUSBポート(縦置き)、USB 3.1 Type-A端子などが特徴的

Type-Cを試したいという方は通常のGAMING Mxモデルのほうがよいだろう。なお、USB 3.0/3.1ともに内部が赤いため、見分け方としては、通常のレイアウトでは最も下となる2ポートがUSB 3.1 Gen2、あるいは端子のシールド上に貼られたシールで判別するのがよさそうだ。

USBに関して言えば、USB 3.0のうち1ポートが、「Direct USB」としてケースの内向きに、ATX24ピン電源横に搭載されているのも特徴といえる。これはバラック状態でテストするOCにおける利便性を考慮したもので、マザーボードの左右、どちらからでもUSBが利用できるわけだ。

ケースの内側向きにあるUSB Type-A端子「Direct USB」を搭載

また、後述するスペシャルOC機能と合わせると、OCにおけるほとんどの操作を、マザーボードの右上一画で行うことができるようになる。ここが大きなポイントと言えるだろう。

LANコントローラは、ほかのGAMINGモデルがQualcomm AtherosのKiller E2400を採用しているのに対し、Z170A XPOWER GAMING TITANIUM EDITIONはIntel i219-Vを採用しているという点が異なる。Killerチップは、低レイテンシという点をウリにしている一方、Intel i219-Vはスループットや安定性で定評あるチップと言える。

ネットワークチップはIntel i219-V

オーディオ機能は、スタジオレベルのサウンドをうたう「Audio Boost 3」準拠だ。まずアナログ分離回路を採用しており、これに電磁波シールド付きのオーディオチップ、日本ケミコン製オーディオコンデンサ、デュアルヘッドホンアンプ、金メッキ仕様のバックパネル部オーディオ入出力端子、そしてソフトウェアによるNahmimic Sound Technologyが提供される。

オーディオ回路は、赤いGAMINGシリーズとほぼ同等