アマゾンジャパン24日、Amazonプライム会員向けの新サービス「プライム・ビデオ」の開始に加え、プライム・ビデオを含む、コンテンツ視聴用のストリーミング端末「Amazon Fire TV」シリーズの国内販売を発表した。「Amazon Fire TV」シリーズは本日より予約の受付を開始し、10月28日の出荷を予定する。これに合わせて都内で記者説明会を開催し、製品の概要を紹介した。

日本のプライム会員は高い成長率

アマゾンジャパン代表取締役社長のジェスパー・チャン氏

まず、アマゾンジャパン 代表取締役社長のジェスパー・チェン氏があいさつ。Amazon.co.jpは日本で15年間にわたり、製品とサービスを提供してきた。8年前から有料会員制度であるAmazonプライムを投入したが、ここ数年で会員数が大きく伸びているという。

その理由として、お急ぎ便や日時指定便を無制限に利用できるといった「付加価値の提供」を挙げる。また、常にサービスの内容を拡充してきたとして、最近では「当日お急ぎ便」や「Amazonパントリー」「先行タイムセール」といったサービスに加え、プライム会員限定で新型Kidle Fireを割引価格で提供していることも紹介した。そして今回、プライム会員向けのサービスに「プライム・ビデオ」が新たに追加される。

サービス拡充の成果か、日本のプライム会員は年間50%以上の高い伸びを見せている

プライム会員の特典例。お急ぎ便、お届け日時指定便使い放題

7月29日から開始された「先行タイムセール」。プライム会員なら通常のセール開始時間よりも30分早くアクセスできる

Kindleユーザーには1カ月に1冊無料の本が提供される

プライム会員向け特典に「Amazon プライム・ビデオ」の提供を開始する

プライム会員向け動画配信サービス「プライム・ビデオ」がついに開始

プライム・ビデオについて説明を行うAmazon.com Amazonビデオ 国際部 バイスプレジデントのTim Leslie氏

続いてプライム・ビデオの詳細に関してAmazonビデオ国際部のTim Leslie氏が紹介した。Amazon.co.jpでは、日本で15年間にわたりコンテンツの販売を行ってきたが「ユーザーは新作映画を見たいという欲求がある」とLeslie氏は話す。

従来はこうした欲求に対し、有料の動画レンタル・販売サービス「Amazonビデオ」というサービスを提供してきたが、プライム・ビデオによって日米の人気映画やTVドラマをプライムユーザーに提供する。また、プライム・ビデオの利用に当たっては、プライム会員の年会費(3,900円)以外の追加の費用は発生しないことも大きなポイントだ。

パッケージをはじめとしたコンテンツの販売に関してAmazon.co.jpは15年の歴史がある。その中でユーザーは新作映画を見たいという要求があるという。プライム・ビデオはこの要求に応える

プライム・ビデオでは新作映画に加えて、日米の人気映画やテレビドラマの配信を予定するほか……

アニメの配信も予定する

Leslie氏は、目玉となるコンテンツとして、日本のAKB48のライブやしまじろう、あるいはアニメ版「シンドバッド」を紹介。これらはDVDなどのパッケージになる前にプライム・ビデオで先行配信される。このほか、テレビで放送された番組の見逃し視聴や、プライム・ビデオ独占のコンテンツ、Amazonオリジナルのドラマも配信するとしている。

しまじろうやシンドバッドがパッケージ版になる前に視聴できるのがウリの一つ

テレビで放送された番組の見逃し視聴にも対応していくという

Amazonオリジナルのコンテンツとして紹介された「モーツァルト・イン・ザ・ジャングル」や「ウィッシュンプーフ」。オリジナルのコンテンツ数に関する言及はなかったものの「今後続々と増える」との事だ

こうしたコンテンツは、PCはもちろん、スマートフォンやタブレット、コンソールゲーム機などで見ることができる。ストリーミングに加え、ダウンロードでの視聴も可能だ。

ちなみに権利者の関係上、アメリカで視聴できても日本では視聴できないコンテンツもあるという。制限はIPアドレスでもかかるとのことで、つまり、日本のプライム会員がアメリカに旅行した際にコンテンツが視聴できないケースが発生する。ただ、この場合はストリーミングではなく、スマートフォンやタブレットにコンテンツをダウンロードして視聴すればよいとの説明があった。