説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『正直な話、「株価」アプリって役に立つの?』という質問に答えます。

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iOS 8に付属のアプリ「株価」は、Yahoo! JAPANファイナンスと提携することにより最新の株価情報を入手します。データ通信が可能な状態であれば、"いま現在"の株価/株価指数だけでなく、騰落率や騰落幅、時価総額も表示できるところがポイントです。通知センターに表示することもできますから、株式市場の現況を把握するにはじゅうぶんな機能を備えているといえます。

数値だけでなく、グラフも表示できます。希望の銘柄を選択して画面下部の情報エリアをフリックすれば、3画面あるうちの2画面目に株価のグラフが描かれます。対象期間は1日/1週/1月/3月/6月/1年/2年で選択できるうえ、iPhoneを水平方向に持ち替えると画面いっぱいに表示することが可能です。水平方向に表示しているとき、グラフ上の2点をプレスすれば、その期間の値幅と騰落率を表示することもできます。

しかし、利用に際してはいくつかの注意点があります。ひとつは、すべての情報がリアルタイムではないこと。個々の株価(個別銘柄)は、Yahoo! JAPANファイナンスから入手したほぼリアルタイムの情報を表示できますが、日経平均株価など一部の株価指標は20分程度遅れて配信されるディレイ情報となります。

プッシュ通知にも対応していません。証券会社が提供している専用アプリのなかには、気になる銘柄を登録しておくと、目標の価格や値上がり率/値下がり率に到達したタイミングで通知してくれるものがあり、買いどき/売りどきを逃しません。アプリによってはオンライントレード機能を備えていますから、そのまま約定することも可能です。

システム標準装備のアプリとして洗練された機能を備えており、サーバの安定度など情報源の信頼性も高い「株価」ですが、株式投資のツールとしてはごく基本的な機能しかありません。あくまで"入口"というスタンスでの利用にとどめておいたほうがいいでしょう。

通知センターでの表示やグラフ描画に対応する「株価」ですが、すべての情報がリアルタイムというわけではありません