TMPGEnc Video Mastering Works 6 V6.0.5.16(グラフ13~14)
ペガシス
http://www.pegasys-inc.com/ja/index.html
エンコードツールの定番TMPGEncの最新版であるが、Version 6になって
- HEVC/H.265のEncode/Decode
- 遠近補正機能の追加(Photo16)
などが加わった。もちろんIntel Media SDKをサポートしているので、Intel QSV(Quick Sync Video)にも対応している。
というわけで今回はメディアエンコードはこのTMPGEncに絞り、ちょっとベンチマーク手順も変更してみた。テストは以下の4種類6項目である。
- 4Kソース(tearsofsteel_4k.mov:3840×1714@24fps H.264)をDivX HEVC 3840×1714@30fpsに変換(テスト項目名:HEVC 4K)
- 4Kソース(tearsofsteel_4k.mov:3840×1714@24fps H.264)をDivX HEVC 1920×864@24fpsに変換(テスト項目名:HEVC 2K)。
- SDソース(手持ちのデジタルカメラで撮影した57秒の動画。1280×720pixel@30fps Motion JPEG)を、H.264 640×360@30fpsに変換。さらに遠近補正を掛ける(SD x264 遠近補正 およびSD QSV 遠近補正)
- SDソース(手持ちのデジタルカメラで撮影した57秒の動画。1280×720pixel@30fps Motion JPEG)を、H.264 640×360@30fpsに変換。遠近補正は実施しない(SD x264 およびSD QSV)
3と4のテストがそれぞれ2種類あるのは、x264(TMPGEncのオリジナルエンコードエンジン)とQSV(Intel QSV)の2つエンコーダを試したためである。ちなみにHEVCのエンコードについてはIntel QSVが未対応である。遠近補正機能は当然CPUでの処理になるので、このあたりもCPU性能の評価につながる。
ということでまずは外部GPUの場合(グラフ13)。流石にHEVCは処理が重く、ここはもうCPU性能がそのまま反映される感じである。SDに関しては相応に高速だが、やはり遠近補正が結構なCPUパワーを食う。
とはいえ、Broadwellでも60fps近く、Haswellだと60fps超えだから遠近補正を掛けても比較的快適な事は分かった。ちなみに外部GPUの場合はQSVが使えない、という制限はDesktop版Broadwellでも引き継がれることが確認できた。
では次に内蔵GPU(グラフ14)の場合。こちらではQSVを使うとそれぞれ性能が伸びる事が分かる。特に何もやらないでただエンコードのSD QSVの場合、SD x264の5割とは言わないまでも4割近い性能改善になっており、やはり明確に性能改善が見られる。
ただ、BroadwellのQSVはさらに高速化(Haswell世代との比較で2倍)という話があったが、今回の比較ではそれを検証することはできなかった。あるいは負荷がやや足りなかったのかもしれない。
ちなみにGodavariの性能は芳しくないが、これはTMPGEncがHSAあるいはエンコードエンジンであるVCE2をサポートしておらず、純粋にCPUのみで処理を行っており、そう考えれば健闘しているともいえる。