MVNO業者が増え、キャリアを気軽に乗り換える環境が整ってきたこともあり、SIMフリースマートフォンの選択肢もかなり増えてきた。「どのキャリアでも使える」という印象のあるSIMフリースマートフォンだが、実際には利用できるキャリアが限られている。どうしてそのようなことが起きるのだろうか? スペック表から使えるネットワークを読み解く方法を教えよう。
スペック表の見方を覚える
SIMフリースマートフォンのスペック表を見てみると、対応ネットワークの部分の表記はメーカーによって様々で、統一性がない。ある意味、ここはスマートフォンとして最も重要な部分でもあるのだが、読み方がわからなくて困っているユーザーも多いだろう。
いずれもSIMフリー端末のスペック表だが、見事に表記がバラバラで統一性がない。赤で囲った部分が注目するべきポイントだ
そこで、最初にこのスペック表の用語から覚えていこう。まず「LTE」「W-CDMA」「UMTS」「GSM」「EDGE」というのは、すべて対応する通信規格のことを指す。
LTEは現在主流の第4世代通信規格で、「FDD-LTE」「TDD-LTE」というのはLTEの通信方法の違いを指している。FDD-LTEは全世界的に使われている方式で、TDD-LTEは主に中国で使われている規格だ(ちなみに日本ではどちらの方式も利用している)。
W-CDMAとUMTSは、実はどちらも同じものを指す単語で、「UMTS」はヨーロッパでの規格名だ。規格的にはドコモやソフトバンクが利用している第3世代通信規格のことを指している。auが使用している「CDMA2000」(CDMA EV-DO)規格に対応したSIMフリーのスマートフォンは、iPhoneを除けばほとんど存在しない。
「GSM」と「EDGE」は第2世代通信規格で、海外での通話などに使われているものだ(日本での2G通信はすでに終了している)。EDGEのほうはパケット通信規格だが、あまり気にしなくてもいいだろう。
以上の情報をもとに冒頭の表を見ると、それぞれ第2~第4世代の通信規格のうち、どれが使えるかを表していることがわかるだろう。