既報の通り、米AMDは6日(現地時間)、投資家向け説明会を開催した。この中で広帯域メモリHBMを採用した次世代GPUを、2015年第2四半期に投入すると明らかにした。

次世代GPUは2015年第2四半期ということで、まもなく登場するようだ

広帯域メモリHBM(High Bandwidth Memory)は、DRAMダイを積層し、GPUとシリコンインターボーザーで接続、同一パッケージに収める。これにより、現状のグラフィックスカードで広く利用されているGDDR5よりも広い帯域を確保できる。

DRAMを積層し、GPUと同じパッケージに実装する。接続にはシリコンインターボーザーを採用する。GDDR5と比較してより高性能なことに加えて、電力消費を抑えられるという

AMDの資料によると、GDDR5と比べて電力辺りの性能は3倍に向上、加えて消費電力は50%削減できるとしている。このほか、2016年にはGCN(Graphics Core Next)の最適化を進めるほか、FinFETプロセスに移行し、電力効率を2倍に引き上げるという。

2016年にはFinFETプロセスに移行する

Radeon 300/M300シリーズも発表

また、AMDはOEM向けのデスクトップGPU「AMD Radeon 300」シリーズとノートPC向けGPU「AMD Radeon M300」シリーズも合わせて発表した。DirectX 12やVulkan、MantleといったAPIへの対応や、Windows 10のサポートが表明されているが、各モデルのスペックを見ると、既存製品のリネームという可能性もある。

■デスクトップ向けR9シリーズ
モデル名 R9 380 R9 370 R9 360
製造プロセス 28nm
SP数 1792基 1024基 768基
動作クロック 最大918MHz 最大975MHz 最大1050MHz
メモリ 4GB GDDR5 2GB or 4GB GDDR5 2GB GDDR5
メモリ帯域幅 176GB/s 179.2GB/s 104GB/s
TDP 不明
補助電源ピン 6ピン×2 6ピン×1 -
■デスクトップ向けR7/R5シリーズ
モデル名 R7 350 R7 340 R5 340 R5 330
製造プロセス 28nm
SP数 384基 320基
動作クロック 最大1050MHz 最大780MHz 最大825MHz 最大855MHz
メモリ 1GB or 2GB GDDR5 or DDR3 1GB/2GB GDDR5 or 2GB/4GB DDR3 2GB GDDR5 or DDR3 2GB DDR3
メモリ帯域幅 72GB/s(GDDR5) -
TDP 不明
補助電源ピン - - - -
■ノートPC向け
モデル名 R9 M375 R7 M360 R5 M330
製造プロセス 28nm
SP数 640基 384基 320基
動作クロック 最大1015MHz 最大1030MHz
メモリ 4GB DDR3
メモリ帯域幅 35.2GB/s 16GB/s 16GB/s
TDP 不明