auはスマホへの足がかりとして積極的に活用

Android搭載フィーチャーフォンを「ガラホ」としていち早く登場させたauは、ドコモ発表会の翌日となる5月14日、夏モデル発表会でガラホこと「AQUOS K」の最新モデル「SHF32」を発表した。初代AQUOS KことSHF31と比べると、VoLTEに対応したのが最大の変更点。というか、その他の主要な機能はほとんど変わっていない。Androidながら、Googleアカウントが使えない点も変更はない。

「SFH32」。元祖ガラホの正常進化版としてわずか3カ月で登場。VoLTE対応によりクリーンな会話が楽しめる

AQUOS Kは1,310万画素のカメラを搭載し、アプリもauスマートパス経由の約100本のみながらインストール可能という、フィーチャーフォンよりもスマートフォンにより近い性質の製品だ。KDDIの田中孝司社長は「高速なLTE回線を使って、写真などをどんどん家族と共有してほしい」と話す。

スマートフォンの便利さをフィーチャーフォンという親しみやすい容器に入れ、多くのユーザーに体験させたいという戦略なわけだ。フィーチャーフォンユーザーに訴求するため、わざわざ割安な専用の料金プランを用意したあたりにも本気がうかがえる。

AQUOS Kはスマートフォンを買ってみたが、やはりテンキーに戻りたいというユーザーと、スマートフォンに興味はあるが料金プラン等で折り合いのつかなかったユーザー双方に訴求する。こうして便利さに慣れさせることで、やがてARPU(ユーザー1人あたりの売上)の高いスマートフォンへ流れてほしいという思いも透けて見えるかのようだ。AQUOS Kが順調で好評なだけに、今後もこうした製品開発の方向性自体は変わらず、新たなメーカーの参入もありそうだ。