ブランド信仰が評価を左右する

ハイエンドのスマートフォンで採用できるプロセッサには大きな違いはなく、価格帯が同一ならメモリやストレージといったスペックにも大きな違いはない。だとすると、このガッカリ感は、かなりブランド信仰に近いものではないかと思われる。

VAIOやXperia、あるいはiPhoneといった機種ではガッカリ感を訴える人は少なくないが、他の国内メーカーや海外メーカーの最新機種でもスペック的には大きな違いはないのにガッカリ感を訴える人は少ない。つまり、最初から期待されていなかった製品も世の中には存在しており、その違いはブランドだけだ。

前述のようにカメラは大きな差別化点の1つだが、一方でXperiaのカメラについて「メシマズ」(食べ物がおいしそうに写らない)といった評価もあった。また、今回、XperiaのZ4には、「料理モード」なる機能も搭載された、ソニーも、この点に関しては気にしていたのだと思われる。つまり、「メシマズ」という評価はあながち外れではなかったのだ。

しかし、こういう評価をするからには、食事の写真などをSNSなどに投稿することが多いユーザーなのだと思われる。だったら、「メシマズ」な機種など選ばなければいいのではないかというのが論理的な結論だが、それでもXperiaを買ってしまうのが「ブランド信仰」なのだろう。

Z4の「ガッカリ感」の原因は、この「ブランド信仰」にあると筆者は考えている。ブランドは、商品選択の際に有益な情報ではあるが、その程度のものでしかない。しかし、これを「信仰」にまでもっていってしまうと、期待通りでない場合に「ガッカリ感」が出るというわけだ。なにもブランド信仰があるのは、Xperiaだけでなく、人気のあるスマートフォンには、多かれ、少なかれ、ブランド信仰のレベルに達してしまった人がいる。また、世の中には、まわりと同じでないと不安を感じる人もいる。女子高生はiPhone一択らしいが、いい歳した大人が女子高生みたいにみんなと一緒というのもなんだか情けない感じがしないでもない。