米Googleは4月22日(現地時間)、手頃な料金で高速な携帯電話サービスを同社が提供するプログラム「Project Fi」を発表した。利用者数を制限した招待制の初期サービスプログラム「Early Access Program」を米国で開始、参加希望者の申し込みを受け付けている。

Project Fiの携帯電話サービスは以下のような内容になっている。

  • 米国内の通話とテキスト(無制限)
  • 海外へのテキスト(無制限)
  • 格安国際通話
  • 高速データサービス(4G LTEなど)
  • 日本を含む120カ国で3G (256kbps)データサービス
  • Wi-Fiテザリング

基本料金は20ドル/月。データサービスは1GBあたり10ドルで月単位で課されるが、未使用分が翌月に繰り越される。たとえば3GB(30ドル)を契約し、ひと月で1.4GBしか使わなかった場合、未使用の1.6GB分=16ドルが翌月の支払いから差し引かれる。

1GB=10ドルで、データの未使用分は翌月の請求から差し引かれる、シンプルでムダなく使える料金プラン。

Project Fiの通信キャリアパートナーは、ソフトバンク傘下の米Sprintと、成長著しい米T-Mobile USA。どちらかと契約するのではなく、2社の携帯電話ネットワークと自宅のWi-FiやWi-Fiホットスポットを含めて、Project Fi端末がより高速な接続を選択し、シームレスに切り換えながら高速で安定したデータ利用を実現する。通話やテキストもWi-Fiをサポートし、通話もWi-Fiと携帯ネットワークの間でなめらかに受け渡される。

Project Fi端末の電話番号はGoogle IDにひも付けられ、同じGoogle IDでGoogle Hangoutsを使用するAndroid端末、iOS端末、Windows PC、Mac、ChromebookなどでもProject Fi番号の通話やテキストが可能。ボイスメールも確認できる。

Googleは「高速で便利なモバイル環境の実現」を目指してProject Fiを提供する。同プロジェクトはNexusプロジェクトを携帯電話サービスに拡大したものと言える。NexusプロジェクトでGoogleは、最新のモバイルテクノロジの普及を加速させるために、スマートフォンメーカーと協力して最新のAndroid向けに設計したAndroid端末を自ら開発・販売している。しかしモバイルデバイスが発展するだけでは、ユーザーのモバイル体験は向上しない。携帯電話サービス/ワイヤレス接続環境の進化を促し、近未来のモバイル体験を形にするために、Android端末メーカー、そして通信キャリアと共に進めてきた取り組みがProject Fiである。ハードウエア、ソフトウエア、サービスの連携がProject Fiの体験を生み出すため、Early Access Program期間中にProject Fiで使用できるAndroid端末は、プロジェクトパートナーのMotorolaと開発した「Nexus 6」に限られる。