(薄めの)新橋男子刮目のメンズコーナー

7階はデジタル家電と玩具のフロア。特に人気の商品は、デジタル一眼レフカメラとビデオカメラ。他にもデジタルオーディオ、モバイルパソコン、タブレット、ゲーム機なども購入者が多い。富士フイルムの「チェキ」やアクションカメラ「GoPro」なども外国人に人気だとか。

玩具コーナーでは児童用のキャラクターグッズや知育玩具、プラモデルなどが並ぶ。興味深かったのは、日本各地にある城のプラモデルが充実しており、エスカレーター周辺の目立つ位置に並べられていたこと。「そんなに売れるんですか?」と担当者に聞くと「それはもう」とニッコリ。なるほど、売れるようだ。

【写真左】7階のデジタル家電フロア。このフロアはなぜかPOP類が日本語のままで、中国語やハングルのPOPがほとんどない。「Made in Japan」を強調するためか? 【写真右】デジタルオーディオ売り場では、ハイレゾ音源の聴き比べもできる。ここもなぜかすべて日本語

最上階の8階はメンズ向けの理美容品と「銀座ファインケアAGAクリニック」のフロアだ。女性用と一緒に展示されがちだった男性用の理美容品がワンフロアに集められており、女性客に囲まれながら商品を探すのに抵抗感のあった人も、ここなら気軽に足を運べるだろう。

男性客が1階のキラキラしたビューティフロアを突き抜けてまで、最上階へやって来るのか? という疑問も湧くかもしれないが、ここで求心力を高めるのが薄毛治療医院であるAGAクリニックの存在だ。複数の専門医が常駐し、個室で診察が受けられるうえ、建物の入口が病院ではなく電気屋さんという点も、フサフサの頭髪を人知れず取り戻したい中年男性の目に魅力的なスポットとして映りそうだ。

8階のメンズ理美容品フロア。1階と対照的に探したい物が目移りすることなくすぐに探せる印象だ。新橋男子の聖地となるか

【写真左】銀座ファインケアAGAクリニックでは、診察や治療は一人ひとり個室で受けられる。病院に通うというストレスなく継続して通いやすいのがポイントだ。【写真右】メンズ理美容品売り場近くのベンチに置かれていた姿勢矯正用の「Body Make Seat Style」。女性の目が気になって試用しづらいとためらっていた男性も多いはず。ここなら人目を気にせず試せる。なかなか心にくい演出だ

工夫が盛りだくさんの店内は見ていて飽きない

LABI新橋銀座口店は、家電量販店を多く訪れてきたと自負する筆者から見ても、工夫がてんこ盛りで、飽きることのない店舗といえる。もっとも、銀座の歩行者天国は新橋までは続いていないこともあり、訪日外国人が期待するほど訪れるかは未知数だ。

訪日外国人をターゲットにしたおみやげ屋さんよりも、リーズナブルな価格設定となっていることがクチコミなどで広がれば、インバウンド需要が開拓されそうだ。あとは丁寧な売り場作りを維持するメンテナンスを、どれだけしっかりできるかがカギとなりそうだと感じる。ヤマダ電機の挑戦がどんな実を結ぶか今後も注目したい。