LABI新橋銀座口店の外観。新橋駅の銀座口から徒歩2分ほどの場所

ヤマダ電機は4月10日、多くのビジネスマンや訪日外国人観光客でにぎわう東京・新橋に、新業態の店舗「LABI アメニティー&TAX FREE 新橋銀座口店」をオープンした。ここでは、オープン前日に報道関係者を集めて開かれた内覧会の様子をレポートする。

全フロアで免税対応

3月までは、JR山手線新橋駅の東口に「LABI新橋生活館」、西口のSL広場前に「LABI新橋デジタル館」が展開されていた。前者が白物家電を中心に、後者がAV機器・デジタル家電を中心に扱う店舗だった。

今回オープンする「LABI アメニティー&TAX FREE 新橋銀座口店」(以下、LABI新橋銀座口店)は、東口のLABI新橋生活館をリニューアルした店舗だ。ヤマダ電機の既存店はもちろん、他の家電量販店と比較しても「初めて」となるユニークな試みがてんこ盛りで、冒険心と遊び心に満ちた店作りになっている。

@cosmeとコラボした1階の@cosme×LABI Beauty station

家電はもちろん、化粧品や医薬品、日用品、お土産、ブランド品など、ビジネスマンや訪日外国人観光客に人気のアイテムを一堂に集める。全フロアで免税対応としたのは同社初の試みだ。また、入り口となる1階には、女性客を強く意識した理美容コーナー「@cosme×LABI Beauty station」を設ける。これはコスメ・美容の口コミサイト「@cosme(アットコスメ)」と手を組んだ新業態の売り場。このように異業種とコラボした売り場を展開するのも、同社としては初めての取り組みだ。

3つの客層を狙った提案型の店舗

全フロア免税対応と聞くと、LABI新橋銀座口店は訪日外国人観光客向けの専門店で、その他の人は買い物できないのかと思ってしまいそうだが、そういうことはない。観光客以外の一般客も楽しめる店舗を目指している。

ヤマダ電機 代表取締役副社長 兼 代表執行役員COOの一宮忠男氏

ヤマダ電機 代表取締役副社長 兼 代表執行役員COOの一宮忠男氏は、「昨今、主にアジア圏からの観光客による買い物需要が急速に伸びている。LABI新橋銀座口店はこの流れに対応すべく、ヤマダ電機が打ち出した新しい提案型の店舗だ」と概要を説明した。

一宮氏によれば、LABI新橋銀座口店は3つの客層をターゲットとしている。1つめがインバウンド(訪日外国人観光客)、2つめがアウトバウンド(日本から海外へ旅行に出る人)、そして3つめが新橋のビジネスマンだ。

新橋は羽田空港への玄関口(※)ということもあり、インバウンドやアウトバウンドの通り道。リニューアル前から外国人観光客や、これから旅行へ行く人がよく訪れる店舗だった。こうした地域特性もあり、インバウンドをターゲットにした店舗を出すなら「まずはここ」と狙いを定めたというわけだ。

また、新橋は昔から「サラリーマンの街」として知られ、ビジネスマンやOLが昼夜を問わず往来する場所でもある。こういった層に響く施策として展開するのが、前述の@cosmeを始めとする異業種とのコラボだ。@cosmeのほか、ブランド品の買取と販売を手がける「BRAND OFF TOKYO」とのコラボ、薄毛治療の専門医院「銀座ファインケアAGAクリニック」とのコラボも実現し、ヤマダ電機の家電販売とシナジーを発揮するための工夫が盛り込まれている。

【写真左】左から、銀座ファインケアAGAクリニックを運営するエムエフシーの理事長 沖正直氏、BRAND OFF TOKYOを運営するブランドオフの代表取締役社長 安山勉氏、@cosmeを運営するコスメネクストの代表取締役社長 遠藤宗氏、ヤマダ電機の一宮忠男氏、LABI新橋銀座口店の店長 田近雅也氏。【写真右】田近店長はリニューアル前のLABI新橋生活館からの赴任。訪日客の多いLABI1日本総本店池袋やLABI新宿東口館などを経験したほか、中国の店舗で半年間の修行も積んだという

観光客もビジネスマンも、店を訪れたあらゆる人が気持ちよく買い物できる売り場にするため、プライスカードは通常用と免税用で分けて表示するほか、商品ごとに対応する電圧も掲示する。訪日外国人が日本国内向けの商品を本国へ持ち帰り、変圧器を利用して使うケースがあるため、注意喚起の意味も込めて掲載したという。

次ページから実際の売り場をフロアごとに紹介していこう。

※都営浅草線新橋駅から京急本線、京急空港線への直通運転があるため、羽田空港にアクセスしやすい。