ユーザーが体感できるようになるのは今年の新機種から

LTE-Advancedは現行のLTEの延長上にある技術でもあり、現行の規格と完全な下位互換性を備えている。このため、既存のドコモLTEユーザーはそのまま現在と同じサービスを享受し続けられる。一方、PREMIUM 4Gのウリである高速性やヘテロジニアスネットワーク内での高速ハンドオーバーといった特徴は、対応端末でなければ利用できない。既存の端末はPREMIUM 4Gの対応エリアにいても、利点を感じることはほとんどないだろう。

サービスの開始時点ではモバイルルーター2機種が対応機種となり、本命となるスマートフォンについては「2015年度早期に提供予定」とだけ発表されている。早ければ今年の春モデルから対応ということになるのだろう。

一方で、現在ではドコモでも1~2を争う売れ筋商品となっているiPhoneについては未知数のままだ。iPhoneの商品サイクルからすると新製品の発表は9月ごろになると見られるため、仮にiPhoneがLTE-Advancedに対応するとしても、PREMIUM 4Gで利用できるようになるのは秋を待たねばならない。もっともPREMIUM 4Gのエリア自体、サービス開始直後はかなり限られるので、対応エリアを頻繁に利用するユーザーでなければ、慌てて乗り換える必要はないだろう。

現時点での対応製品はファーウェイ製とLG製のモバイルルーターのみ。サービス開始とともに使いたいという場合はこれら2機種が必要になる

ついに本格展開を開始した真の「4G」だが、当面はユーザーの生活を大きく変えるようなインパクトはないだろう。だがユーザーの見えないところで、しっかりとネットワークの効率化が行われ、気づかないうちに快適なネットワークが実現していくことこそが、LTE-Advancedの真価と言えるのではないだろうか。

会場では「225個限定」と銘打ったPREMIUM 4Gロゴ入り特製どら焼きとレモンティーが振る舞われた。どちらも「特に意味はない」とのことだったが、レモンティーはLTE-Aにひっかけてのことだと思われる

(記事提供: AndroWire編集部)