MacBook Proより軽く、よりパワフルに

実は、VAIO Zには隠れたメッセージがある。それは、「MacBook Proと同じパワーで、MacBook Airよりも軽い」というものだ。

スタイリッシュでありながらパフォーマンスを追求したMacBook Pro、そして、スタイリッシュでありながらモビリティを追求したMacBook Airがカバーする領域の製品は、Windows搭載PCにはなかったとVAIOは捉えていた。この領域を、VAIO Zというひとつの製品でカバーすると定義する。

だが、今回のVAIO Zで、ひとつ気になったことがある。それは、新たなVAIO Zのテザインだ。一見すると、VAIOがソニーから継続販売を行っていたVAIO Fit 13Aのデザインに酷似している。ちょっと見ただけでは見間違うようなデザインだといっていい。

そして、これまでのVAIO Zといえば、クラムシェル型が定番だった。だが、新たなVAIO Zでは、VAIO Fit 13Aで採用したフリップ機構による2-in-1 PCとしたのだ。

新しいVAIO Zでは、VAIO Fit 13Aで採用したフリップ機構が採用されている

なぜ、VAIO Zはこうしたデザインを採用したのだろうか。まず、フリップ機構の採用について、黒崎氏は次のように回答する。

「初期段階ではクラムシェル型を検討したこともあったが、かなり早い段階で2-in-1にすることを決定した。VAIO Zが最先端製品であることを捉え、その時代に最もあった形状が2-in-1であり、それを実現するのがフリップ機構であった」とする。

そして、VAIO Fit 13Aに似たデザインについては、「使っている部品は99%異なる。ODMで生産しているVAIO Fit 13Aとは、作り込みの面でもまったく異なるものになっている」と前置きしながら、「マーケティングの観点からいえば、新たなデザインを採用した方がいいのは確か。だが、これはVAIOがPCの本質を追求する上で、そう簡単にはデザインは変えないという、我々からの重要なメッセージだと捉えてもらいたい」と話した。

黒崎氏は、従来の経験をベースに進化を遂げたものが新しいVAIOであり、フリップ機構の採用は、PCとしての完成度をより高めるものと語る

「VAIOがこれまでの経験をもとに、さらに進化させたのがVAIO Zのデザイン。どうすればさらに完成度を高めることができるか、どうすれば質感をあげることができるか、そして、どうすればPCとしての本質を追求することができるか、という観点から、経験のあるデザインを継承した。見た目だけの変化を狙うのではない。この領域では、今後もこのデザインを継承して、PCの本質を追求することに取り組みたい」とする。