VAIOは16日、同社として開発した初のオリジナルPC「VAIO Z」(VJZ13A1)を発表した。13.3型のWQHD(2,560×1,440ドット)液晶を搭載し、液晶が回転しタブレット形状になるフリップ機構を備える。同日から受注開始。価格はオープンで、最小構成モデル(Office非搭載)の店頭予想価格は約190,000円から。カラーはブラックとシルバーの2色。

VAIO Z VJZ13A1

ブラック

シルバー

VAIOが属していたソニー時代から、「VAIO Z」はフラッグシップPCとして展開してきた。同社は、デスクトップPCレベルの高性能かつノートPCクラスの小型サイズPCのポジションが、Windows市場では空白と分析。高密度実装や放熱設計技術を活かした高パフォーマンスを実現しながら13.3型の2-in-1という新しい「VAIO Z」の投入で、市場での存在感を高めるとする。

VAIO Zは、ソニー時代に製品化した13.3型ノートPC「VAIO Fit 13A」と同等のフリップ機構を採用し、液晶が回転する13.3型の2-in-1 PC。解像度はWQHD(2,560×1,440ドット)。ディスプレイには、液晶とガラスの間に光学樹脂を充填させ視差を少なくするダイレクトボンディング加工が施されている。筆圧検知のデジタイザペンも付属する。

タブレット形状でも使えるフリップ機構を採用する

筆圧検知のデジタイザペンも付属

マザーボード基板は本社安曇野で設計。高密度実装した小型基板と、高効率の冷却機構を組み合わせたユニット「Z ENGINE」を内蔵する。基板は部品間差や配線間長を限界まで最小化し、「VAIO Fit 13A」の約3分の2まで小型化。冷却機構は、日本電産と共同開発した流体動圧軸受ファン2基と、フジクラと共同開発した高い熱運搬能力を持つヒートパイプを採用する。2基のファンは、左右の羽の枚数を変えることで動作ノイズを低減している。

マザーボードは、同様の機構を持つ13.3型ノートPC「VAIO Fit 13A」の約3分の2まで小型化した(右の写真は試作のスケルトンモデル)

高密度実装のマザーボード

冷却機構を搭載した「Z ENGINE」

CPUには、Iris Graphics 6100グラフィックスを内蔵する、TDP 28WのIntel Core i7-5557U(3.10GHz)を搭載した。ストレージにはPCI Expressインタフェースの128GB SSDを採用する。法人利用も視野に入れ、セキュリティチップや大会議室で音が響きやすいスピーカーを搭載。カメラはソニー独自の「Exmor R for PC」CMOSを採用し、VAIOの他機種同様、ドキュメントスキャナアプリ「Camscanner」も備えている。

VAIO Zのスピーカー部

このほかの仕様はメモリが8GB(オンボード、増設不可)、光学ドライブが非搭載、カメラ機能はリア8M/フロントHD、OSがWindows 8.1 Pro Update 64bitなど。主なインタフェースは、USB 3.0×2、HDMI×1、SDカードスロット×1、ステレオミニ端子など。通信機能はIEEE802.11a/b/g/n/ac準拠の無線LAN、Bluetooth 4.0など。

本体サイズはW324.2×D215.3×H15.0~16.8mm、重量は約1.34kg。バッテリ駆動時間は約15.2~15.5時間(JEITA 2.0測定法)。

Webのソニーストアでの注文では、CPUにCore i5-5257Uや16GBメモリ、256GB/512GB SSDなど各パーツに加え、VGAアダプタ、LANアダプタ、ワイヤレスルータなどオプション品の有無も選択可能。また、BEAMSとのコラボモデルも用意する。

左側面

右側面