個人を力づけるモバイルイノベーションと壁

2014年は特にUberやSquare、AirBnBといった、モバイルアプリによる個人やスモールビジネスをサポートするサービスが目立った。日本への進出もあったが、商慣習や法令、あるいはこれらのサービスが解決すべき問題が、サービスが育った米国と異なる点などから、日本で上手くいかないケースも見られる。

スマートフォンを使ってハイヤーの配車ができるサービス「Uber」

「暮らすように旅をしよう」をコンセプトにし世界中の人々と部屋を貸し借りするサービス「AirBnB」

スマートデバイスでのカード決済を可能にする「Square」

こうした文化の壁に加えて、国ごとに法令の壁も大きくなってくるだろう。例えばUberのように個人がタクシーになるサービスは、日本ではいわゆる白タク行為となってしまう。またSquareの場合でも、個人事業主でなければ個人の登録ができないことになっている。

モバイルイノベーションを最大限に生かすためには、こうした障害を何らかの形で取り除いていくことが望ましい。

Facebook後のモバイルソーシャル

Facebookの減速が若者世代に限らず起きている。そんなニュースが伝えられた2014年末だったが、デスクトップ発祥や文字主体のサービスから画像や動画中心のサービスに移行しつつある。

スマホ化は、人間関係がよりインスタントにこなせるサービスへと人気が移り、またたくさんの文字を読まなくても成立するサービスがより多く見られるようになる、そんな傾向になってきた。

実際、FacebookがリリースしているFacebook Messengerはベストアプリに選ばれており、同社が傘下に収める画像共有アプリのInstagramは文字主体のTwitterより活発なコミュニティになっている。

2015年以降は、よりビデオに対しての注目が進むと思われるが、コンテンツ消費も投稿やコミュニケーションも、現在の数秒の動画よりもさらに手軽なモノに移行するのではないだろうか。ただし、ビデオの長さが短くなるわけではない、と考えている。