2015年の注目のスマホ関連ニュースは過去を探ることで見えてくる。では、どんなトピックに注目したらいいのか。本連載では、マイナビニュースで執筆するライターに、期待が持てる2014年のスマートフォン関連ニュースについて取り上げもらう。初回は松村太郎氏のレポートをお届けする。

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スマートフォンは、技術面、そして活用面で進化を続けている。デバイスとして我々が手にしている以外にも、通信技術やサービス、アプリ、アイディアなど様々な新しい取り組みが行われている。2015年のスマートフォンに関連するニュースで注目すべきテーマを5つ、紹介したい。

通信技術:VoLTEとWi-Fi Calling

日本のモバイル通信は元々のレベルが高いため、料金やデータ通信の容量に目がいきがちだが、そうではない多くの国は、レガシーな仕組みから新しい仕組みへと移行することを試みる。

その例がVoLTEとWi-Fi Callingだ。VoLTEはLTEを活用して高音質の通話を実現する仕組みで、日本のキャリアもサービスをスタートさせつつある。例えばiPhone 6、iPhone 6 Plusも、遅ればせながらVoLTEに対応した。VerizonやT-MobileなどのVoLTE対応キャリアで使っている場合、LTEの設定を「データのみ」から「通話とデータ」に切り替えられる。

またWi-Fi CallingはT-Mobileなどがサポートする、自宅などのWi-Fiを経由してケータイにかかってくる通話を行う仕組みだ。さほどカバーエリアが充実していなかったり、いわゆるプラチナバンドを持っていないキャリアは室内の通話品質に苦しんでいる。そこで、Wi-Fiが拾えて自分の電話番号と紐付くSIMが刺さっていれば通話ができる仕組みを実現したのがWi-Fi Callingだ。

Wi-Fi Callingを利用すれば、フェムトセルなどの設置によって電波改善を行う必要があった環境でも、通常のインターネットに接続するWi-Fiルーターさえあれば通話やSMSを快適に行える

特に後者はアプリで通話をするIP電話のような活用ができるが、一般の電話番号とスマートフォン本体の通話機能が使える点がアドバンテージだ。