細部までこだわって作り込んだ外装、ひんじ

FR10は、そのデザインや耐衝撃構造など、外装を含むハードウェア部分にもこだわりがあふれている。各所のしっかりした作り込みは、デジタルカメラというより、もはやアウトドアツールや工具などのプロフェッショナルギアに近い。

アウトドアツールを思わせるこだわりの外装

―― FR10はカメラ部とモニター部だけでなく、ヒンジユニットも分離しますね。しかも、このヒンジユニットがとてもよくできている。ヒンジを折り曲げてカメラスタンドとして使うときも角度をしっかり保持してくれるし、何度動かしても一向にヘタらないんです。

柳氏「ありがとうございます。ヒンジは、かなりこだわって作っています。可動部もクリックのある歯車式にしようか、無段階のトルク式にしようか最後まで悩みました。自分撮りやみんな撮りをするときの自由な角度設定を考えて、トルク式を選択しました。

この部分を上手く作れたのは、EX-ZR1000で初採用した可倒式のカメラスタンドのノウハウが活用できたからです。ですので、ヒンジ部分をスタンドに利用する、という発想も最初からあったんですよ。」

FR10は、液晶モニターおよびコントローラー部(左)、ヒンジユニット(中央)、カメラ部(右)の3つに分離する

こだわりのヒンジ可動部分

可動するカメラスタンドを搭載した「EXILIM EX-ZR1000」

野仲氏「ヒンジ部分はFR10の独自性につながる重要なパーツなので、特に力を入れて作り込んでいます。何度も試作を繰り返しました。」

隅氏「カメラ外周のリングは、強度を考えて、最初は金属で作ったんですよ。でも、金属だとBluetoothやWi-Fiの電波がブロックされてしまうんです(編注:通信速度や安定性が落ちる)。

これはダメだということになって、次は樹脂で成型しました。すると、今度はフニャフニャで(笑)。結局、ガラス繊維入りの樹脂を使い、強度と受信感度と軽さを確保することができたんです。」

リング部の裏側には、回転させて縦撮り横撮りの両方に対応できるよう、周囲に溝が刻まれている

―― 強度といえば、防水・耐衝撃仕様も魅力です。安心してアウトドアに持ち出せるし、多少思い切った使い方ができます。そのおかげで、普通は中々撮れない写真が撮れたり。

柳氏「内部的なタフネス設計は、以前、EX-G1でも使用したG-SHOCKと同様のフローティング構造を採用しています。防水や耐衝撃性能があるとユーザーの方々が安心して使えますし、すごくカシオっぽいじゃないですか(笑)。FR10はまったく新しいカテゴリーの機種なので、登場感として、そういった個性も重要だと考えました。」

G-SHOCKと同様のフローティング構造を採用したEX-G1