操作はスワイプと音声によって行い、スマートフォン側の通知をスマートウォッチで受けたり、スマートウォッチから音声コマンドで検索等をスマートフォン側に送信するといった使い方になる。音声コマンドの起動は「OK Google」という発声で、iOSの「Hey Siri」と同様だが、日本人の下手な発音でも結構拾ってくれた。とはいえ、ハンズフリー通話もあまり普及していない日本で、腕時計に向かって声をかけて操作するというのはかなり奇異に映る気がする。正しく認識されなかったときの修正手段をどうするかも含め、音声認識率の観点からも、日本では音声入力はまだ普及しないだろうと思わせた。

今回展示されていたスマートウォッチは、いずれも2~3万円代だが、スマートフォンの拡張ディスプレイにそれだけのお金を出すのが正当かどうかは、正直微妙なところだ。はっきり言えば、筆者は買って使いたいとは思わなかった。例えば位置情報を基にした陣取りゲーム「Ingress」のAndroid Wear用を開発し、スマートウォッチ単独で各種の行動が行えるようにするなど、単独でも活用できるような付加価値が必要ではないだろうか。

これはAndroid Wearだけでなく、Apple Watchなどにも言える事だが、スマートウォッチは腕時計と違って経年劣化ではなく、単純に性能不足となって数年で使えなくなっていく運命にある。スマートフォンであればキャリアのインセンティブによって定期的な機種変更の負担も少ないが、スマートウォッチはそうもいかない。もっとコストダウンするか、リース契約のようにして、定額でハードウェアを修理/アップデートできるような仕組みを用意しないと、ユーザーからは受け入れられにくいのではないだろうか。スマートウォッチを推進するメーカーが今後、普及のためにどのような手段を取るのかが注目される。

(記事提供: AndroWire編集部)