FocusPixelsの威力

作例1.とある蕎麦屋の名物「とろろそば」

とろろと青のりとたまごでおぼろ月を表現している風流さ。FocusPixelsのおかげで、ただiPhoneを構えるだけでこのフォーカスにあっている状態になる。

作例2.苔寺近くのコケ

美しい苔で有名な苔寺は7日以上前から往復はがきによる予約が必要で、今回の旅では見ることができなかった。そこで近所のコケを撮影。こちらの写真も、しゃがみ込んでコケにiPhone 6 Plusを向けるだけで、中央付近のコケにフォーカスが瞬時に合った。

筆者はあまり最新のカメラ機材を持っていないが、一眼レフでピントを合わせる際、フォーカスが前後して止まるという場面に慣れていた。コントラストAFと呼ばれる方式で、iPhone 5sを使っている際にも見られた。この動作が、フォーカスを自動的に合わせてくれている、という確認にもなっていた。しかしiPhone 6 Plusでは、こうしたフォーカスが前後する様子が全く見られないのだ。

慣れというのは怖いもので、これまでのコントラストAFのような動作をしない場合、AFが働いていないのではないか、とつい強制的にフォーカスを合わせるために画面をタップしてしまうのだが、使っているうちに「自然にフォーカスが合っている」ということに気づく。それぐらい、iPhone 6 PlusのFocusPixelsの効果は大きいのだ。

作例に挙げたとろろそばやコケは、これまでのiPhone 5sの場合、フォーカスを合わせたい部分をタップしてから撮影していたが、iPhone 6 Plusではカメラを向けてシャッターボタンを押すだけでこうした写真が撮れる。

画面をタップしてフォーカスを合わせる機会は非常に少なくなった。ただシャッターボタンを押すだけで最適な写真が得られる、というゴールに着実に近づいていると感じた。