できすぎた自分撮り

今回進化したのは外側のiSightカメラだけでなく、内側のFaceTimeカメラもだ。iSightカメラと同様のF2.2の明るいレンズに加え、ダイナミックレンジの広いカメラを搭載し、1回のシャッターでHDR写真を撮影することができるようにした。使用感についてのみ、ご紹介しておこう。

自分撮りの問題点は、室内の場合は暗さ問題になる。そのため、FaceTimeカメラは明るいF2.2のレンズを備えている。一方の屋外の場合は明るさの「差」が問題になる。今回の京都でも経験したが、日が当たっている背景とそうではない自分の顔の両方が最適な明るさになるように写すにはHDRが必要だ。

しかしiSightカメラのように複数枚の写真を合成して生成するHDRの場合、腕を伸ばして写真を撮影するには手ぶれしやすい。そんな理由から、1回のシャッターでHDR写真を撮影する機能を備え、撮影できるようにした。こちらも、高画素化ではない問題解決に取り組んだ結果だろう。

さて、出来上がった写真について。

冒頭でご紹介した「iPhone 6 Plusでの片手撮影の持ち方」の写真は、iPhone 6によるFaceTimeカメラでの撮影だが、被写体である筆者と背景にもきちんと順光で太陽の光が当たっているため、キレイな仕上がりだった。

一方、金閣や清水寺などの観光地で撮影した写真については、背景により強い光が当たり、相対的に手前の人の顔が暗くなってしまう。しかしiPhone 6 Plusで撮影すると背景と人の顔の双方がきちんと明るく映し出された。ただ、やや気になったのは、相対的に暗い人の顔がやや白っぽく色褪せたような仕上がりになった。

やや背景との色味が不自然で、合成写真のような印象も受ける。なるべく自分の顔にも光が当たるように工夫すると良さそうだ。

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iPhone 6 Plusでの京都撮影では、3日間で300枚近くの写真を撮影した。おなじみの名所の風景を撮っても、ふと見つけた植物や動物を撮っても、食べ物、飲み物を撮っても、美しいプレビュー画面とともに非常に楽しい撮影だった、とふりかえることができる。

なるべく1つの被写体には1枚ずつの撮影を心がけたが、それでも失敗写真は少なく、どれも旅の思い出として活用できるものだった。手ぶれ補正以外は同等のカメラ性能を備えるiPhone 6でも、今回と同様、存分に写真撮影が楽しめるはずだ。

行楽シーズン、iPhoneのカメラを信頼して、旅を楽しんでみてはいかがだろうか。