Appleのストレージサービス「iCloud」へのハッキングにより、米国のセレブのプライベートなヌード写真が多数流出したことが大きな話題になっている。米Appleほか米連邦捜査局(FBI)も調査に乗り出したことを複数のメディアが報じている。米Appleは9日にスペシャルイベントを控えており、今回の事件は同社にとって見過ごせないものとなりそうだ。

被害にあったのは、オスカー女優のJennifer Lawrenceさんや歌手のRihannaさんらを初め100人近くの著名人が含まれていたという。流出した写真は、画像掲示板の「4Chan」に投稿され、投稿画像はSNSを通じて拡散されたようだ。

複数の報道機関によると、iCloudの一機能となる「Find my iPhone(iPhoneを探す)」の脆弱性を突いて、アカウントのパスワードに可能な限りの入力を行い総当り攻撃をするブルートフォースアタックが行われたとしている。現在はこの脆弱性にパッチがあてられ、脆弱性は修正済みとなったようだが、この経緯から、どのようにプライベート画像が抜き出されたのかは不明なまま。いずれにせよ、プライベートな画像が流出したという事実と、iCloudへのハッキングが行われた疑いが強いという状況にある。

今回の事件は、直接的な被害者のほかに、Appleにとっても見過ごせないものになる。同社は9月9日にiPhone 6を発表するとみられるが、同端末に搭載されるiOS 8では、iCloudの機能拡張をひとつの目玉としている。事の詳細は明らかになっていないものの、iPhoneを持ち、iCloudを使うことで、日常生活の利便性が増すことをアピールしたい同社にとっては、最悪のタイミングで手痛い打撃になりそうだ。