2つめには新たな充電スタイルによって、掃除をもっと自由に、便利に行うという点である。

ここでは、本体そのものを充電するのではなく、バッテリーを取り外して、専用充電器でチャージする「セパレートチャージ」方式を採用した。

専用充電器にバッテリーを装着することで簡単に充電ができるもので、約80分の急速充電を可能にしている。万が一、バッテリーが切れた場合にも、約5分間の充電で約1分間の運転が可能。床に何かこぼしてしまった場合にも、すぐに掃除ができる。

【左】バッテリーパックはリリースボタンを押して取り外す。上向きの場合には取れない 【右】FREEDの施策段階で作られたモック。本体部がどの程度の重さになるのか、バッテリーやモーターの搭載場所でどんなバランスになるのかを細かく検証していった

しかも、満充放電が約1,100回もできるというのもこだわりだ。一日1回掃除をしても、3年間はバッテリー交換が不要だ。

FREEDの製品化においては、バッテリーを外して充電するというスタイルはかなり早い段階から決定していた。本体そのものを軽量化するには、充電回路を本体以外に置いたほうが効果的である。さらに、コードレス掃除機の収納場所に困るといった声も対応できると考えた。

「掃除機は、片付けずに専用スタンドにそのまま置いておくという利用者と、必ずクローゼットや押し入れに収納するという人に分かれる。しかし、収納する人にとっては、クローゼットや押し入れにはコンセントがないという問題があり、収納しながら充電ができず、使うときには充電されていないという問題が発生していた。セパレートチャージ方式とすることで、バッテリー充電の問題点を解決できる」(奥田副参事)

【左】セパレートチャージ方式を採用。専用充電器で急速充電が可能 【右】バッテリーパックは標準で1個搭載。オプションで購入することもできる

FREEDでは、自動モードでは約20分、強モードでは約8分の動作時間となっている。これまでのEC-DX100では、46分の掃除が可能となっており、6~8分という平均掃除時間ということを考えると十分な稼働時間だとシャープでは考えた。しかし、一般ユーザーは、感覚的に稼働時間が短いと感じてしまうこともあった。

動画
自動モードで運転している様子。床の状況を自動的に判断して吸塵力をコントロール。床に設置しないと自動的に停止する(再生時間約13秒、ファイルサイズ約33.2MB)

「単に時間を延ばしても、長時間駆動に対する不安は消えにくい。そこで、いつでもバッテリーを充電できるという環境で、時間に対する不安感を払しょくすることにした」

オプションで用意されているバッテリーパック(価格8,000円)を購入すれば、いつも取り替えて利用ができる。バッテリー駆動時間を気にしなくて済むという提案だ。急速充電を採用した点も、その不安を解消することにつながる。