まずCNETでの評価を紹介すると、単純に「ストレージ容量が少ない」ことを挙げてユーザーに対して非推奨商品であることを喚起している。アプリやコンテンツのダウンロードだけでなく、OSアップデートのためには2~3GB程度の空き容量が必要となるため、システム予約分等を除外すれば実質的なフリースペースは4GB程度しかない。これではAppleのいう「最高のユーザー体験」とはほど遠いとは思う。

Android優位という現状

そして価格の話だ。興味深いデータがある。Kantar WorldpanelのデータをTech Thoughtsがまとめて評価したものだが、その最新の2013年第4四半期の国別スマートフォンシェアを比較すると、一番iPhoneシェアの大きい英国とオーストラリアでさえ30%未満で、4割超の米国や6割超の日本とは比べるまでもない。

ドイツ、フランス、イタリアなどはiPhoneよりもAndroidの強さが顕著で、特にイタリアに関してはWindows Phoneとの逆転現象さえ見られる。中国も新製品が登場した2013年第4四半期にはiPhoneシェア上昇が見られるが、総じてAndroidより低い。中国移動通信(China Mobile)が取り扱いを開始した今年2014年1月以降はシェアの再上昇もある程度見込めると思うが、Android優位という現状は変わらないだろう。

この欧州でのiPhoneシェアの低さと、その隙間をぬうようにシェアを拡大しているWindows Phoneという現状から予測できるのは、高価格帯に位置するiPhoneが嫌気され、低価格端末市場でAndroidと並びWindows Phoneが伸張しているという構図だ。

あるデータによれば、Windows Phoneの端末別販売シェアのうち、低価格端末のLumia 520のシェアが30%を越えているという。例えば欧州ではプリペイドユーザーの比率が高く、端末価格がダイレクトに反映されやすい。そのため、比較的低価格端末にユーザー人気が傾きやすいという事情がある。

欧州でも低価格端末に人気が傾きやすい。写真はLumia 520

例えばLumia 520の欧州での当初の販売価格は150ユーロ前後で、iPhone 5c 8GBの550ユーロと大きく異なる。もちろん、ローエンド端末と一世代前のハイエンド端末では一概に比較できないが、安い端末を好むユーザーにこの差はなかなかシビアだと考える。