復活した「Mebiusブランド」は次の進化へ

Mebius Padは、すでに東京、名古屋、大阪、福岡の4カ所で、法人ユーザー向けの製品説明会を行ったという。

「様々な企業から高い関心が寄せられており、手応えを感じている」と笛田チーフは語りながら、営業マンのモバイルツールとしての利用、特定業種における専用端末としての活用などのほか、教育分野での利用も提案できるデバイスになると自信をみせる。

「ノートPCやデスクトップPCを所有しながら、タブレットをもう1台所有している場合、その日の仕事内容によって、どちらか1台を持って出かけたり、あるいは両方を持たなくてはならないというケースがある。そうした問題を解決することができる、1台持ちが可能なデバイスとしての提案も可能だ」

また、Mebius Padは充電クレードルを標準添付、拡張クレードルをオプション設定しているが、キーボードはサードパーティーの製品を利用できるようにしている。

「拡張クレードルは、有線LAN接続したいというニーズ、あるいは会社に戻ったらすぐに充電できる環境を実現するという点で用意した。一方で、キーボードに関しては、自分の好みで選択してもらうのがいいと判断したため」と笛田チーフは説明するが、「今後、キーボードを同梱する必要があれば、検討していきたい」とも語る。

書き心地を優先して開発された同梱ペン。グリップ部は握りやすいようやや太く、ペン先は細い

ペンに関しては、本体に同梱するスペースは確保していないが、それはペン操作の書き心地を良好にするため、太さを優先したと説明する。細いペンを採用すれば、無理をすれば本体に同梱できたかもしれないが、あえてそれを避けて、書き心地を優先したペンとした。これも法人向けの利用を想定したこだわりだといえる。

笛田チーフは、「しばらく休んでいた割には、完成度が高い製品が出来たと考えている」と、冗談混じりに語る。確かに、モバイルで利用する際に求められる、相反する要素を高いレベルで両立した製品だといえるだろう。そして、手軽に持ち運ぶという点にこだわったことが、あらゆるスペックから伝わってくるデバイスだともいえる。

現在、Mebius Padを実際に触れる場はないが、今後、早い段階で整備する予定だという。久しぶりに登場したMebiusブランドのデバイス「Mebius Pad」は、シャープのこだわりが詰まった製品だ。Mebiusブランド製品の新たな進化の幕が切って落とされた。