多種多様な候補から自分好みの端末を選択でき高度なカスタマイズが可能、それがAndroidの魅力であり強みです。しかし、その自由度の反面わかりにくさを指摘されることもありません。このコーナーでは、そんな「Androidのここがわからない」をわかりやすく解説します。今回は、「NFC対応スマホはおサイフケータイになる?」という質問に答えます。

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ここ日本でも、「Visa payWave」や「MasterCard PayPass」などNFCを利用した電子マネーサービスがスタートしました。それらサービスには専用アプリが必要とされ、そのアプリが対応するスマートフォンが利用の前提条件となります。もっとも、それらNFCを利用した電子マネーサービスの日本市場展開は始まったばかりで、決済に対応した商業施設は限られています。

NFCには従来の非接触ICカード代わりに使える「カードエミュレーションモード」、NFCタグを読み取るための「リーダー/ライターモード」、NFC対応機器間でデータをやり取りするための「P2P(Peer to Peer)モード」とう3つのモードがあり、そのうちおサイフケータイとして利用するためには「カードエミュレーションモード」が必要です。

Android OSでは、バージョン4.4からカードエミュレーションモードをサポートしました。これにより、電子マネーの決済に必要な機密データを専用ICなしで管理できるようになりました。これは従来の「おサイフケータイ」が行っていること -- Felicaチップが持つデータをアプリから書き直すことで、あるときはモバイルSuica、あるときはnanacoといった使い方を可能にする -- と同じで、既存の電子マネーを扱うためには欠かせない機能です。

ただし、それが「おサイフケータイがNFCに移行する」という意味にはなりません。既存のFelicaベースの電子マネーサービスがNFC(Type A/B)に対応する可能性はありますが、店舗に設置する読み取り機の更新やシステム設計変更が欠かせないため、実現するにしても時間はかかるでしょう。FelicaのほうがNFCに比べ通信速度に優れ、交通機関の乗車券決済のようにスピードが要求される処理はFelicaが有利という事情からしても、いますぐNFCがFelicaに取って代わるということはなさそうです。

日本でもNFC(Type A/B)を利用するタイプの「おサイフケータイ」が登場しました