ゲッティ イメージズのクリエイティブ プランニング部門責任者・レベッカ スィフト氏

ゲッティ イメージズ傘下のストックフォトサイト「iStock」は、東京のアーツ千代田3331にて、世界デビューを目指す日本のフォトグラファー100人を集めた実践型写真研修イベント「iStockalypse」を開催。11月18日はエデュケーション・デイとして、日本のフォトグラファーが理解しておくべき最新のビジュアルトレンドや著作権などの法律知識、ストックフォトサイト活用術をレクチャーする講義が行われた。

ここでは、ゲッティ イメージズのクリエイティブ プランニング部門責任者、レベッカ スィフト氏による「マーケットのニーズ」についてのセミナーの様子をレポートする。

人気の「コンセプト」とよく検索される「キーワード」

写真業界で20年近くのキャリアを持つスィフト氏は、iStockで今何が求められているのか、将来的に何が求められるのかを分析するクリエイティブ プランニング部門の責任者。同部門では、日々の売り上げをトラッキングし、その結果を国ごと、あるいは業界ごとにリサーチしているという。また、さまざまなメディアで実際にどのような写真が使われているのかを調査し、どんなビジュアルによってメッセージを伝えようとしているのか、さらには人口統計やテクノロジー、ソーシャルトレンドなどの集計も行いながら、いま求められる写真の分析を行っているそうだ。

これより先に行われた基礎のセミナーで、ストックフォトで重要なのは「コンセプト」だということは説明された。では、"実際に人気のあるコンセプト"とはどのようなものだろうか?スィフト氏は、すべての国で人気のあるコンセプトとして愛や幸福、成功、リーダーシップ、教育、創造力、スピードなどを挙げたのち、実例として10年前にアップされて以来何度もダウンロードされている1枚の大ヒット写真を紹介した。それは、ギャンディー ヴァサン氏によって撮影された、金魚鉢から1匹の金魚が別の金魚鉢に向かってジャンプした瞬間をとらえた写真だ。スィフト氏は、「この写真からは、逃避、自由、発見、個性、リスクなど、100以上ものコンセプトが見えてきます。このように多くのコンセプトで使われる写真は、非常に価値のあるストックフォトと言えるでしょう」と述べた。

iStockで10年も売れ続けているというギャンディー ヴァサン氏の写真

iStockで人気のあるコンセプトの一覧。ストックフォトでは、ただ美しいだけの写真ではなく、明快なコンセプトを感じるものが受け入れられるという。

続いて、お目当ての写真を探す際に使われる検索キーワードの上位40個をリストで紹介。そこには、ビジネス、背景、犬、クリスマス、女性、携帯電話、赤ちゃんなどが挙げられていた。そして、日本の首都である「東京」に関する検索キーワードのトップ10を紹介。東京タワー、東京スカイライン、東京スカイツリー、東京道路、東京都市、東京夜、東京証券、東京ネオンなどがランク入りしていると伝えた。iStockでは検索の95%は英語で行われ、その他の言語での検索は5%程度だという。しかし、検索は英語以外の言語にも対応しており、日本語で検索した場合はWeb上で翻訳されるため、問題なく機能すると付け加えた。