日本ヒューレット・パッカードは9日、法人向けノートPCの新製品として、「EliteBook」シリーズを2モデル、「ProBook」シリーズを4モデル、「HP 250」シリーズを1モデル、計7モデルを発表した。デザイン、ダウンタイムの最小化、生産性という3つを、大きなテーマに開発されている。各モデルの概要は以下の個別記事を参照いただくとして、ここでは新モデルの特徴的なポイントをまとめてみたい。

日本HP、米軍基準頑丈ボディでHaswell搭載の12.5型ノート「EliteBook 820」
日本HP、従来比で30%以上も薄く軽くなった14型ノート「EliteBook 840 G1」
日本HP、Haswell搭載でフルHD液晶も選べる15.6型ノート「ProBook 650 G1」
日本HP、ビジネス向け13.3型/15.6型/17.3型ノートPC「HP ProBook 400」
日本HP、光学ドライブ標準搭載のビジネス向け15.6型ノートPC「HP 250 G2」

まずデザイン面では、従来モデルと比べてさらに薄く、軽くし、ブランドの一貫性を図った。本体の配色、ボタン、アイコンなどを統一し、ダークなグラファイトカラーと明るめのメテオライトでまとめている。また、美しさと耐久性を両立させるために、「Dura Flex」塗装を採用。大きく4層からなる表面コートによって、従来モデルと比較して凹みにも強くなった。

従来モデル「EliteBook 8470p」(左)と、新モデル「EliteBook 840 G1」(右)。ちょっと分かりにくいが、かなり薄くなっている

ダウンタイムの最小化については、115,000時間以上の過酷なテスト(落下 / 振動 / 衝撃 / 粉塵 / 湿度 / 高度 / 高温 / 低温 / 温度変化)とともに、セキュリティにも通じるソフトウェア面の要素を加えている。1つはBIOSで、不正なBIOS書き換えを防ぐとともに、ネットワーク経由でのBIOS更新、BIOS自動復元に対応。もう1つはストレージ全体の暗号化と集中管理で、指紋認証などを含めた「マルチファクタ認証」を備える。また、インターネットを経由した複数人でのデータ共有向けに、「HP Trust Circles」という仕組みを導入。ここに保存するデータはすべて暗号化され、権限を持っている人でないと復号できない。なお、シリーズ名称に「Elite」が付くモデルは、米軍調達基準も満たしている。

3つ目の生産性では、日本語キーボードを見直した。Enterキーやカーソルキーを大きくし、主にキーボード面の右側にあるキーで見られた横幅の狭さを改善。横幅が狭いキーが少なくなり、タイピングしやすくなった。そのほか、底面カバーを手軽にオープンし、メモリ増設やストレージ交換、バッテリ交換が行えるメンテナンス性の高さは、従来モデルを継承している。

「EliteBook 840 G1」のキーボード。従来モデルと比べて、Enterキーやカーソルキーが大きくなった。キーピッチの不ぞろい(主に右側のキー)もかなり改善されている

新モデルの底面は、基本的には写真のような構造。底面カバーを外しやすく、内部にすぐアクセスできる。内部の右下にバッテリパックが収まる

ユニークな機能として、「HP Wireless Hotspot」というソフトウェアが便利そうだ。「ProBook」シリーズと「EliteBook」シリーズのノートPC本体を、Wi-Fiルータとして使える。いわゆる「テザリング」機能で、ノートPCを介して最大5台のデバイスからインターネット接続が可能。インターネット接続できない環境の第三者デバイスに対して、一時的にインターネット接続を提供できる。