コルグは、同社が販売するアナログ・シンセサイザー製品の回路図を一般公開したことにより "オープンなコミュニティを形成した"として、2013年度のグッドデザイン賞を受賞したと発表した。さらに、受賞対象の中でも特に高い評価を得た100件に贈られる「グッドデザイン・ベスト100」にも選出されたという。

回路図が公開されたアナログ・シンセサイザー製品群

同社のアナログ・シンセサイザー「monotron」は、2010年4月の発売まもなくユーザー自身で製品を自分好みに作り替える動きが生まれており、同社はこれらの期待に応える形で同年11月に公式サイトにて回路図を公開。翌年の2011年7月には「Makey Awards 2011」の"もっとも優れた説明書部門"にノミネートされるなど、海外においても高い評価を得たという。

その後も2011年5月に発売された「monotribe」では、同年9月にリズム・パートの回路図を公開。さらに12月発売の「monotron DUO/DELAY」では、翌年2012年3月に回路図を公開し、同時にこれまでの回路図をまとめた特設ページ「Analogue Synth Series:Schematic Archive」もアップしている。

今回の受賞では、単に楽器として演奏するだけでなく、ユーザー自身が製品内部を研究したり、自分好みに改造できる環境を作成したこと、さらに、ユーザー間で改造品を発表・共有しあうというオープンなコミュニティを形成したことが高評価。「企業を出発点としたユーザー間のコミュニケーションの場を提供する先駆的な事例」(担当審査委員)として受賞に至ったとされている。

回路図公開ページ

改造された製品