ホームスクリーンに頼らず、機能性を手に入れる

iOS 7のインターフェイスのアップデートで新しいコンセプトを見出すとすれば、それはホームスクリーンに頼らず機能にアクセスすることだ。今まで、アプリが並んでいるホームスクリーンからアプリを起動して、そのアプリが持つ機能にアクセスする、という手順を取っていた。

これは絶対的なルールであったため、一度覚えれば迷うことはなくなるが、スマートフォン活用になれてくるにつれて、しょっちゅうアクセスする機能やすぐに見たい情報が生じてきたときに、融通が利かない要素になっていた。iOS 7では、アプリ起動なしでよく使う機能や情報へのアクセスの方法を提供してくれる。

これまで通り画面を上からスワイプすることによって表示させることができる通知センターは、プッシュ通知のリストを見せるだけでなく「Today」というタブが新設され、今日の天気やスケジュールなどの情報をアプリを、それぞれのアプリを開くことなく利用することができるようになった。

また今度は画面を下から上にスワイプして表示させる「Control Center」では、今まで設定アプリを開いて階層を見つけなければ設定できなかった機内モード、Wi-Fi、Bluetooth、おやすみモードなどのON・OFF、画面の明るさなどの設定を簡単に行うことができ、今までタスクバーに格納されていたiTunesのコントロールやirPlayの設定もワンタッチでアクセスできるようになった。

同時に、フラッシュライトの点灯、タイマー、電卓、カメラといったとっさに使いたいアプリへのショートカットも用意され、「ホームスクリーンに頼らない機能アクセス」を実現している。このことは、Siriにも共通する。

SiriはiPhone 4Sから導入された音声アシスタント機能だ。WWDCの会場で新しいSiriの英語音声を聞くと、男性の声も女性の声も、見違えるほど自然な発音に進化しており驚かされた。それだけでなく、例えば画面の明るさを変更するといった端末のコントロールも音声で操作できるようになっている。

Siriの向上は、同時にiOS 7の機能として発表されたiOS in the Carとも呼応する。自動車の画面にiOSの機能を表示させ、地図によるナビゲーションやハンズフリー通話、メッセージの読み上げなどに対応する。これも、iPhoneのホーム画面そのものに頼らず、しかしiPhoneの機能を使う1つの方法と位置づけられる。

通知センターの「Today」タブ。カレンダーアプリを開かず、その直後の予定、1日の予定をチェックすることができる

新設されたControl Center。Wi-FiやBluetooth、機内モードのON・OFFや、画面の明るさ、音楽プレイヤーのコントロール、よく使うツールがまとめられ、画面下部からのスワイプで呼び出すことができる

Siriは新たにWikipedia、Twitter、Bing検索に対応した。またiOS in the Carではボイスコントロールを主体に操作することができる仕組みを提供している