Appleは、外部企業のサービスを巧みに組み合わせることで、標準装備のアプリを含めた「iOS」というシステムを構築している。『マップ』には、TomTomやインクリメントPなど複数の企業が提供する地図データが使用されているし、『Safari』の検索エンジンはGoogleやMicrosoft(Bing)、Yahoo! の3社だ。

音声アシスタント「Siri」は、特にその傾向が強い。機能の柱といえる音声認識エンジンは、Nuance Communications社が提供しているし、天気や株価、近隣の商業施設、スポーツの試合結果など、鮮度の高い情報の大半は「データプロバイダ」などと呼ばれる外部企業によるものだ。

しかし、Siriはデータプロバイダから送信されてきた情報を右から左へ流しているわけではない。大量のデータのなかから肝心なデータを選別したうえで、ユーザに音声として提供している。Siriは音声アシスタントであるとともに、"情報指南役"とでもいうべき役割を果たしているのだ。

だから、質問の仕方を工夫すれば、Siriの質問例にはない情報を引き出せることがある。たとえば、SiriにはYahoo! が提供する最新の株価情報について答えてくれる機能があり、質問例にあるとおり個別銘柄の株価やPER、終値を聞き出せるが、「騰落率」や「時価総額」、「出来高」などの情報も取り扱っている。忘れがちな証券コード/ティッカーシンボルも、会社名をたずねれば教えてくれるので、意外に重宝するはずだ。

操作手順をカンタン解説

1 「株価」に関するSiriの使用例。「騰落率」や「時価総額」といった用語は記載されていない

2 Siriに「TOPIXの騰落率を教えて」と話しかけると、このようにTOPIXの始値/終値の画面が現れ、騰落率を音声で案内してくれる

3 「○○○○の時価総額を教えて」と話しかけると、Siriは個別銘柄の時価総額を読み上げてくれる

4 「○○○○の証券コードを教えて」と話しかければ、始値/終値などの情報とともに、その会社の証券コード/ティッカーシンボルを教えてくれる

(提供:iPad iPhone Wire)