Q:車についてもうちょっとお聞きしたいんですけど。A社…、競合1社さんしかないからもう良いですよね(笑)。AlteraさんもXilinxさんと同じように、Automotive Gradeの製品を出されています。で、Altera Japanさんは2012年にAutomotiveのDivisionをわざわざ作られ、JASPERへの加盟も発表された。Automotiveの場合、そもそもマーケットに入るための初期コストが非常に掛かるんですが、Altera Japanさんはそれを支払って本格的に参入されようとしている。JASPERへの加盟も、それによってトヨタをはじめとする関連業界の方と話がしやすくなるから、というお話でした。で、Xilinxは本国ではAUTOSAR対応ソリューションとかを出されておられますが、日本ではまだそうしたことはされてませんよね?

Rogan:日本としては、ちょっと別のやり方でやらせて頂いてます。基本的には車載に入る為には、やっぱりQualityが高い事をまず証明しないといけない。ですので、我々はQuality Teamを拡大して、そこから何人かを個々に派遣していて、彼らが車載メーカーに、(Xilinxの)Processはどうなのか、とか話をしているわけです。あるいは車載メーカーはFablessモデルに慣れておられないので、Fablessモデルでも安定して供給できるよという話ですとか、あるいはProgrammableなので安定させることができるとか。

後、ネットワーク関係でよく出る話題はSEU(Single Event Upset)とかSEU Mediationですね。車載向けでもやはり同じような心配があるんですが、実はXilinxはSEU Mediationが良いんですね。我々はエラーを検出するだけでなく、訂正も行えるんです。

神保:SEUに関してはFit Rateのデータを出してます。エラー訂正のアルゴリズムの詳細までは公開していませんが、Error Collectionがちゃんと用意されているという話はさせていただいてます。

Rogan:そんな形で、我々はError Collectionをちゃんと実装している。そうしたアルゴリズムをハードウェアで実装している、という事を説明している。なので、お客様には、Qualityは安心してください、Processは安心して下さい、Device Moduleは安心して下さい、Fabless Modelを安心して下さい、と、いった話を以前からやってるんです。

実は、現在複数の車載メーカーからの売り上げがすでに立ってます。で、今はこれを拡大しようとしている時期になってます。具体的には、どうやってFPGA担うFunctionを増やして、より大きなものを入れるのか、と。ということで整理すると、QualityはJapanでちゃんと見ています。加えて、AFEは車載向け専任として2人体制でやってもらっています。

Q:一応確認ですけど、これはAutomotive Makerなんですか? それともAutomotiveのTier 1がTargetなんでしょうか? つまり、例えるならトヨタと話をしているのか、それともアイシン電機などと話をしているのか?

Rogan:本当はトヨタと話をしなくてはいけないんですが、今はシステムメーカーとの話ですね。

Q:今はシステムメーカーだが、最後は自動車メーカーを狙いたい?

Rogan:当然、それは黒帯じゃないですか。

Q:まあそうですね。それはいつぐらいをターゲットされています?

Rogan:ただ、それはどこまで必要あるのもあるか? とも思うんですね。例えばCommunication関係で言えば、例えばNECとか富士通、日立などの通信機器ベンダーと話をしているわけです。で、彼らのお客様はNTTですよね。我々もNTTと話をします。もちろん多い時と少ない時があって、ニーズがある時は多く話をするわけです。と言っても、そうしたことをNTTが決めるわけじゃないんですよ。同じ様に、我々はトヨタともたまに話をしなければいけないし、実際に話をさせていただいてます。が、我々のメインカスタマーは、例えるならデンソーやアイシン精機とかそういう所ですから、そちらにメインのエネルギーを使っているんです。もちろんトヨタとはと話をした方がいいですし、話をさせていただいてますが、ただそればかりじゃなくて、メインはその下の所だと思ってる、という考え方だと思ってもらえれば。

Q:なるほど。後、Reliablity周りでもう1つ確認を。Automotive Gradeをすでに超えた話かもしれないんですが、安全性というか対故障性でいうと、今のところMicrosemi(旧Actel)のものがFPGAでは一番強い。特に航空宇宙グレードをお持ちなのは強みです。もちろんロジックがNon Volatileだからということがありますが。

Rogan:それは面白い議論だと思うんですよね。これまたSEUの話になるんですが、それをSPC(Single Parity Check)で対応するかとかそういう感じだと思うんですね。まず基本は、そもそもErrorを意識できるのか、そしてErrorを修正できるのか。

実はASICメーカーはあまりこれを言おうとしないんですが、ASICも同じ現象ありますよね。例えばロジックにしてもメモリにしてもChargeがたまってるところに電子線が入ると、Bridgeが出来てChargeが逃げる。で、ASICに出来なくてFPGAに出来る事として、そうしたことをずっとチェックして、何か矛盾があればFlagを立てることが出来る。後は、では1bitなら直せるか、2bitならばどうするか、と。そうしたアルゴリズムはすでにあります。ただ現実的に言うと、宇宙用とかの場合、デバイス面積を考えると、同時に何bitまでのエラーに対応すべきかというのはありまして。そのあたりで我々は結構ノウハウがあります。

Q:まあASICでも、もし本当にそれやろうとしたら、ではSingle Latchでは怖いのでDouble LatchにしましょうとかTriple Latchにしましょうとか、Busは必ずECCかけましょうとか、そういうものをの山ほど入れてかないといけないんで、回路規模もどんどん増えてくんですが。Microsemiにしても、Triple Redundancyにすると使えるセル数が減るので、あとはトレードオフだったとは思いますが。

Rogan:Triple Redundancyはいろんな定義がありますからね。