Q:ついでにもう少し聞いてしまいますが、XilinxのWorld Wideのシェアはともかくとして、日本に関しては相変わらずAlteraにちょっと遅れをとっているあたりはどうでしょう?

Rogan:そうなんですけど、それでも随分(ギャップが)狭くなったんですよ。私が最初に入社したとき、Xilinx Japanの売り上げは(Altra Japanより)3割位少なかったんですが、今は本当に近くなってきました。で、我々が現在集中している、つまりKintexとかVirtexとかの大容量製品におけるシェアは我々の方が大きい。ところが容量が小さいところのシェアは彼らが大きい。それが彼らの恐るべきところですね。ただ、今後(大容量製品への)Migrationが進むと、シェアは逆転するんじゃないかと思ってます。

Q:ただ彼らもやはりSoC-FPGAとか、あとArriaもどんどんラインアップを増やしていっていて、これがKintexとバッティングするはずです。なので、しいて違いを言えばSSITにあたる製品をまだ彼らは出しておらず、Monolithic製品のみです。

Rogan:先ほども申しあげた話ですが、基本的にDeviceの特性ですね、周波数があがる、Transceiverが増える、容量が増える、そうした事はProcessの世代で大体決まるわけです。90nmとか45nmとか。で、今回は28nmでパラダイムをだいぶ変えたと思うんですよ

それは3D ICとZynqですね。で、FPGAに関しては引き続きプロセスの微細化が進むとして、SoCや3D ICにあたるところをどうするか。SoCに関しては彼らもソリューションを出しましたが、ただLP Processを使っておられるので、パフォーマンスが(我々のものとは)違っている。ですから本流として使えるものになってないと考えています。あと、3D ICに関してはまだソリューションが無いので、こういうところで結構マーケットが広がるんじゃないかなぁ、という考えですね。

Q:ただこの3Dというか2.5Dですね。確かにAlteraはまだSolutionを持っておられない。ただこの2.5D、現在のSSITはXilinxが時間とお金を掛けて作られたProprietaryなTechnologyですよね。ところが2.5Dという方向性は別にXilinxだけではなく、多くのメーカーがこれをほしがっている。で、TSMCしかり、GLOBALFOUNDRIESしかり、みなそうした2.5DのInterposerの開発をされている。だから、20nmとか14nmの世代になると、別にXilinxの様に開発費を掛けなくても、他のメーカーさんも2.5Dを手に出来る可能性があります。

Rogan:多分、そうかもしれませんね。

Q:もう1つはXilinxは28nm世代では先手を打てた。で、Alteraは28nmでは勝てないかもしれない。ただそれに対して20nmをすでにアナウンスしておられ、さらにプラスIntelさんの14nmプロセスを使うアナウンスをして、ここでキャッチアップしようとされています。

Rogan:Xilinxは非常にコンサバティブの会社ですから、出来上がるまでは発表しないんですよ。一方彼らの文化は、基本的にアイデアが出来たら発表される訳ですよ。実際我々は随分前から20nmのTest Vehicleとかは作っているんですね。40nm世代の時は彼らがちょっと進んでいた。ところが28nmでは我々が進んでいた。で、彼らは20nmで巻き返そうとしたんでしょうが、彼らが我々の動きをみて、「ここで取り戻すのはちょっと現実的ではない」と気がついたんじゃないかと私は思うんですね。そこで「やばいぞ、何か考えなきゃいけないぞ」ということでこれ(14nmプロセスの発表)をしたんじゃないかと思うんですね。

まだ20nmの製品も発表されてないのに、14nmの発表をするのはどうなのかな? と私は思うんですよ。28nmが50Maskだったのが、例えば20nmで100Maskになって、しかも1Maskが2日半くらい掛かるとすると、彼らはそんなに早く28nmから20nm、14nmに移行できるのか? それはちょっと微妙だと思うんですね。あと14nmの話ですが、Intelは現在この14nmの開発を進めているとは思うんですが、なんというか、工場を持つこととFoundryができることは違う事だと思います。良くある話は、まぁAMDもそうだったんですが、何かの製品を作るときに、Processorは一番早い周波数、一番高性能に集中するわけです。で、Volumeがとても多いですから、何度もProcessを調整して、テストして、ダメだったらそれを捨てて、を繰り返す。そうしてTry and Errorでやっとレシピが出来上がったら、それを固定する。

Q:まぁCopy Exactlyのシステムですね。

Rogan:ですね。Processorの場合はそれで正解です。が、Foundryではそれは正解じゃないんですよ。Foundryは一発目からちゃんと動かないといけないじゃないですか。FPGAはProcessorと比べると、Volumeが極端に違います。FPGAは全然少ないですから。ですから、ちゃんと製品として出せるようになるには結構なTry and Errorがあるだろうなと思ってます。本当これをどのくらい早く製品として出せるのかと。結構Try and Errorがあると思いますし、その結果が工場を持つ事とFoundryになる事の違いを表すことになると思いますね。