その他

ちょっとロードマップからは外れるので表11には入れていないが、この他の規格としてLPDDR系のメモリがある(Photo08)。これはMobile向けで、昔はMobile RAMなどと称していたものもこの一部だ。こちらについても、特に携帯機器向けにおける「より広帯域のメモリを」というニーズが高いこと、及びContractベースでの販売が主になる関係でASPを高く保てるという理由でメモリチップベンダー各社は積極的に乗り出している。現在はLPDDR2が使われているが、こちらもLPDDR3やLPDDR4の開発が進んでおり、既にLPDDR3は2012年5月にJESD209-3として標準化も完了している。

Photo08: これは2012年10月にJEDECが開催したLPDDR SymposiumにおけるQualcommのPat Moran氏のプレゼンテーションより。

また、これ以外にWIDE I/Oと呼ばれる規格も、既にJESD229として標準化が完了している。こちらはApplication ProcessorなどのSoCの上などに搭載し、TSV(Trough Silicon Via:シリコン貫通VIA)を使って直接接続するためのものだ。つまりLPDDR系は、SoCなどの外にDRAMをおく場合のもの、Wide I/OはSoCと同一パッケージに納めるためのものである。Wide I/Oは今のところはまだ利用例は無いが、今後普及が期待されている規格である。このJESD229は別名WIDE I/O SDRで、信号速度は200MHzと低いがバス幅は512bitとなっている。この後継規格がWide I/O 2で、こちらは512bit幅そのままで信号速度を2倍(DDR)の400MHzに引き上げるというものだ。

既に、例えばIntelの中でもClover TrailはLPDDR系をサポートしており、実際Tabletなどでは標準のDDR3ではなくLPDDR2を使うケースが圧倒的に多いだろう。この結果として、従来のDDR系はServer及びDesktop向けに限られることになり、Mobile向けは別のロードマップになってゆくのが今後の明確なトレンドになる。

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