Core i5/Core i3 Extreme(表3・4)

表3

表4

メインストリーム向けのCore i5とCore i3であるが、Core i5はともかくCore i3は2012年9月にやっとIvy Bridgeに入れ替わったばかり、という状態で、流石にこちらはもうしばらく続く。これは更に下のPentium/Celeronにも共通する話であるが、メインストリームの下のほう~バリュー向けの場合、最新機能よりも価格、あるいは安定性の方が重要視されるわけで、その観点からしてもCore i3がCore i5より遅れてHaswellになるのは理にかなっているとは言える。

そんなこともあり、Core i5はCore i7とあわせて7月に製品が投入されるが、Core i3に関してはやや後送りになりそうである。当初の予定では2013年第4四半期には投入という話であったが、これはCore i7/i5が4月に投入という予定だった時の話なので、こちらが6月にSlipした以上、当然影響を受ける可能性がある。今のところ正確な時期が見えていないが、下手をするとHaswellベースのCore i3が投入されるのは2014年という可能性すらある。

実はここにもう一つ関係してくるファクターがあり、それはAIOの存在である。AIOとは"All In One"の略で、要するに液晶一体型である。最近で言えば、AppleのiMacを考えていただけるとわかりやすい。Intelはこのマーケットがえらく伸びるとしており(Photo02)、こちらに力を入れることを明らかにしている。

Photo02: IDF Fall 2012の資料より。このAIOマーケットは、平均単価も$400ほど高くできるし、マーケット自体も22%の伸びを示しているとしているが、「取らぬ狸のなんとやら」な気はしなくもない。ただIntelがこれだけあおっている以上、当然OEM/ODMはこれに向けた製品を用意するだろう。

ただ、液晶一体型となると、「一体だけど厚みが10cmあります」はなかなか受け入れられないわけで、必然的にMobile向けの低消費電力品を使って構築することになる(Photo03)。これは、2012年11月末にIntelが発売を開始したNUCにもいえる話である。底面が10cmm×10cmで高さもそれほど無いところに収めるため、CPUにはMobile用のCore i3-3217Uを搭載するあたり、Desktop向けはこのマーケットでは利用しにくい事が判る。

Photo03: CPU+ソケット+ヒートシンクの合計の高さをみると、15W BGAパッケージなら18mmで収まるが、45WのLGAパッケージのものだと33mm、65WのLGAパッケージのものだと38mmが必要になるとしている。どこに本体を収めるか(液晶のパネルの裏以外に、モニタスタンドの中とかスタンドの台とかも可能性はありえる)にもよるが、15W BGAが一番順当なのは理解しやすいと思う。

もっと言えば、AIO向けを使った自作なるスライドもあったりして(Photo04)、従来Core i3が利用されていたターゲットが、こうしたものにシフトしてゆくと判断しているようだ。

Photo04: 自作向けには、大きさはMini-ITXそのままながら、高さを25mmに抑えたThin Mini-ITXというものを提案している。というか、既にこれに沿ったマザーボードは(組み込み向けではあるが)Intelから発売されている。

この結果としてHaswellのCore i3版はMobile向けのみ早期にリリースされ、Desktop向けは来年送りとなっても不思議ではない感じである。

ところでCore i5であるが、Ivy Bridgeで一つだけ面白い製品が入っている。それはCore i5-3350Pで、動作周波数はi5-3450と一緒なのだが、内蔵GPUを無効化したものである。この結果、TDPが77W→69Wに落ちている。Ivy Bridgeの世代でもGPU無効化のものはこれ一つなので、Haswell世代でもこうした製品が後追いで提供されるかどうか、今のところ明らかではない。

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