海外旅行先でスマホを買って活用することはできるのだろうか? 予算は1万円。今回はオーストラリア、メルボルンでデュアルSIM対応のプリペイドスマホを購入してみた。

iPhoneやLTEスマホもあるオーストラリアのプリペイド

オーストラリアではTelstra、Optus、Vodafoneの3つの事業者がサービスを展開している。またVirgin MobileなどのMVNO事業者も数社あり、より安い料金でサービスを行っている。さらにはWiMAX事業者もあるなど、モバイルサービスはかなり充実している。

各携帯電話事業者はLTE/W-CDMA/GSM方式のサービスを行っており、プリペイド製品も豊富だ。携帯電話とプリペイドSIMをセットにした端末販売も各社が行っており、旅行者でも簡単にプリペイド携帯を買うことができる。もちろんスマホのプリペイドもあるので、現地購入したスマホでメールやGoogleマップを利用することも可能だ。

2012年12月の各社のプリペイドスマホのラインナップをWebで探してみると、TelstraはiPhone4 8GBを429オーストラリアドル(以下AUD)、約3万7700円で販売している。現地でiPhoneが買えるのはうれしいが、4万円弱はリピーターで無ければ購入するのをためらう価格だろう。他にはLTE対応のTelstra Frontier 4GがAUD299(約2万6300円)、現地でも高速な回線が利用できるのは魅力的ではないだろうか。一方価格の低いほうを見るとOptusでSamsung GALAXY MiniがAUD99(約8700円)など、1万円以下で買えるスマホもいくつかあるようだ。なおいずれもSIMロックがかけられている。

オーストラリア最大の事業者、Telstra。端末のバリエーションも多数

ヨーロッパのVodafoneもサービス展開している。市内はトラムでの移動が楽だ

TelstraのプリペイドスマホにはiPhoneもある

OptusのプリペイドスマホはSamsungのバリエーションが多い

Boost MoileでデュアルSIMスマホを購入

南半球のメルボルンを訪れた12月は初夏の陽気が心地よかった。市の中心部には各事業者の店舗がありプリペイドスマホの展示も行われている。また郵便局やIT量販店(Dick SmithやJB Hi-Fi)でもプリペイドスマホは販売されていた。プリペイドの購入には身分証明書とホテルの住所を提示すればよく、購入時に店頭でユーザー登録をしてくれる。一部のコンビニでもプリペイドスマホは売られているが、ユーザー登録してもらえないこともあるので、その場合はホテルに戻りPCからオンランで氏名と住所などを登録すれば利用できるようになる。

さて予算は1万円、AUD114を上限にプリペイドスマホを選ぶことにした。当初はGALAXY miniを考え各事業者の店舗を回ったのだが、少しでもスペックが上のものを選びたいところ。VodafoneでGALAXY Ace 2がAUD149だが約13100円で予算オーバー。AUD29のプリペイドSIMが付属するので実質AUD120だが、これでも1万円をわずかに超えてしまう。

するとOptusの店内にMVNO事業者Boost Mobileのプリペイドスマホが売られているのを発見。同社のプリペイド製品はWeb上に値段が出ていないのでノーマークだったが、LGのデュアルSIM対応スマホ、Optimus L2がAUD109、約9600円で販売されていた。3Gと2Gの同時待ち受けが可能で、3G側はSIMロックされているものの2G側はロックフリーだ。つまり他国へ行ったときも2G側に現地SIMを入れて使うこともできる。スペックはGALAXY mini相当と低いものの、今後活用できそうなのでこれを購入した。

またプリペイドSIMは付属するものの通信費はゼロ。そこでAUD10(約880円)の最低リチャージを購入と同時に行ってもらった。これで7日間60MBが利用できる。この後AUD10をリチャージするとそちらはボーナス分として500MBが利用可能となる。テザリング利用も可能だ。なおBoost Mobileのプリペイドスマホは親回線のOptusのSIMも使える。OptusプリペイドSIMは1日AUD2(約176円)でデータ定額できるので、滞在期間によってはそちらの購入もお勧めだ。ただしOptusのこのプランではテザリングは利用できない。

PREPAID、のオファーが見える量販店のJB Hi-Fi。品揃えは事業者店舗のほうが若干よかった

Optusは店内でMVNOのBoost Mobile製品も扱う

購入したLG Optimus L2

パッケージ内のSIMを端末に入れればすぐに利用できる

スペックなりに活用できる

Optimus L2の本体サイズは192.6×61.6×119.mmと小さくシャツの胸ポケットにもすっぽりと入る。ディスプレイは3.2インチQVGAと狭くCPUも800MHzと低速だが、小型スマホ兼テザリングモデムと考えれば十分かもしれない。メモリ容量も少ないので、多数のアプリの同時利用はちょっとつらい。マメにRAMクリアしながらシングルタスク的に使うのがいいかもしれない。このあたりは値段を考えると仕方ないことだろう。

メルボルンでは主に地図を見たりTwitterのタイムライン確認に利用。また他のスマートフォンから必要に応じてテザリングの利用を行った。バッテリーは1540mAhだが半日経っても残量は半分程度残っており、現地スマホとしてそこそこ使える印象だ。今回は時間が無くデュアルSIMは試していないものの、ドコモやソフトバンクのUSIMを入れておけば、これ1台で現地料金でのデータ通信と日本との通話用、2通りの使い方もできる。

データ料金が完全定額ではないため、Optimus L2をちょこちょこ使いつつ、写真のアップロードなどはテザリングで普段使っているスマホを使う、なんて使い分けがよいかもしれない。1万円で購入した現地スマホ購入、メルボルンではなかなか便利に使うことができたと思う。

今回のまとめ

LG Optimus L2 : AUD107
Boost Mobile料金チャージ : AUD10
合計 : AUD117

More Locale 2を入れてある程度日本語化できる

コンパクトなのでさっと取り出す電子地図としても便利

トラムのリアルタイム運行状況アプリを入れてみた

1万円の現地スマホでメルボルン滞在も楽しく過ごせる

(記事提供: AndroWire編集部)