電源を入れると素早く液晶モニターが表示され、撮影スタンバイの状態になる。液晶モニターには、前モデルよりも精細化した約92万ドットの3型TFTを搭載する。視認性は標準的なレベル。上下および左右方向に可動するバリアングル機構を取り入れていることは、2008年発売の初代機「DMC-G1」から受け継いだ「G」シリーズ共通のメリットだ。

ボディ天面には電源スイッチのほか、モードダイヤルや動画ボタン、iAボタンなどを装備

左右に180度、上下に270度回転するバリアングル液晶を搭載。自分撮りにも対応する

一方、EVF(電子ビューファインダー)には約144万ドット相当のLVF(ライブビューファインダー)を搭載する。ドット数のスペックは前モデルと同じだが、ファインダーの下部には、前モデルで省かれたアイセンサーが復活している。ここに顔を近付けると液晶モニターの表示か消え、ビューファインダー表示に自動的に切り替わる。

アイセンサーの感度は「強/弱」の2段階から選べる。試用では、感度を「弱」に設定しても、例えばタッチパネルを操作する際に手がアイセンサーに近付き、不用意に液晶モニターの表示か消えてしまうことが何度かあった。とはいえ、アイセンサーはOFFにするよりもONにしたほうが圧倒的に便利なことは確か。アイセンサーに手を近付けないように気を付けながら、タッチパネルを操作するようにしたい。

ビューファインダーの下にアイセンサーを装備。左にあるLVF/LCDボタンを押して手動での切り替えも可能

ビューファインダーと液晶モニターを自動で切り替えるアイセンサーの設定画面

新機能としては、アイセンサーの復活にともなって「アイセンサーAF」を搭載した。これはアイセンサーが働くと自動的にAFが作動する仕組み。撮影の際にはシャッターボタンの半押しによる通常のAFが作動するが、あらかじめアイセンサーAFによってピント合わせが行われているので、合焦までの時間が短くなるというわけだ。ソニー「NEX」シリーズが採用している「アイスタートAF」などと同種の機能と考えていい。

「タッチパッドAF」と呼ばれる新機能も搭載した。これは、ビューファインダーをのぞいて撮影する際に、液晶モニター上を指で触れることでAF測距点を自由に動かせる機能のこと。これまでの製品では、液晶モニターを見ながら撮る際にはタッチ操作でAF測距点を動かせても、ビューファインダー表示に切り換えた途端にタッチ操作が使えなくなり、何かと不便だった。そのわずらわしさを解消する非常に便利な機能だと感じた。

ビューファインダーをのぞくと自動的にAFが作動する「アイセンサーAF」の設定画面

ビューファインダー使用時に、液晶をタッチ操作できる「タッチパッドAF」の設定画面

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