ベンチマークでの性能差は圧倒的、DirectXの壁も

では、ベンチマークテストで実際の性能を測ってみよう。まずはゲームではなく、基本的なベース性能を見る意味で、パソコンの実環境での各種動作パターンを走らせることで総合性能を計測することができる「PCMark Vantage」の結果をグラフにまとめてみた。なお、スコア取得時の解像度設定は1024×768で統一している。

続いてはCPU処理性能を測るCINEBENCH 11.5の結果を以下の表にまとめた。CPUで重いレンダリング処理を実行して、その処理速度をスコアに換算するベンチマークテストだ。ゲーミングPCであっても、ゲーム中の物理演算はじめ、CPU処理に依存してゲームの快適性が変わることが多いため、CPU性能も無視できないファクターだ。結果は、Ivy Bridgeに進化したNEXTGEAR i620SA5-SPがかなり良好なスコアを残していることが確認できる。

■CINE BENCH 11.5
3年前10万円PC i620SA5-SP
CPUスコア 5.51 pts 7.42 pts

それではここからが本番。GPUの3Dグラフィックス性能を測るベンチマーク「3DMark Vantage」の結果を見てみたい。設定プロファイルのPerformance、High、Extremeを利用し、中負荷から高負荷までの環境下での性能を測っている。さて、各環境下でNEXTGEAR i620SA5-SPの性能は、総合スコアのOverallでもGPUパワーのみを計測しているGraphicsの結果でも、比較にならないくらい圧倒的な差となった。

さて、続いては「3DMark 11」の結果だ。ここでもプロファイルによる負荷環境設定を利用してスコアを採取している。ここで問題となったのは、3年前の10万円ゲーミングPCでは、3Dark 11が動かなかったということだ。先ほどの3DMark VantageはDirectX 10世代のベンチマークだが、3DMark 11は最新DirectXであるDirectX 11世代のベンチマークであるためだ。3年前のゲーミングPCでは、そもそも最新のDirectX 11に対応できないのだ。3Dゲームの最新人気タイトルはDirectX 11で真価を発揮するものが多く、処理性能以前の問題でも、かなりの差が存在すると覚えておきたい。

それでは、人気ゲームタイトルでの両者のパフォーマンスの違いも見ておこう。DirectX 11タイトルは3年前の環境では動かせず、勝負にもならない差があることはわかっているため、Direct X10以前のゲームタイトルで比較してみたい。なお、結果の数値の単位表記がfpsとなっているものは、Frames Per Secondの略で、秒あたり何度画面を更新できるかという指標だ。fpsは、これが高ければゲームの動きがスムーズというもので、60fps以上あれば人間の知覚上、最高の品質と言える。Score表記のものは、ゲーム独自の指標数値であるので、例えばFF14であれば、ここに、各スコア数値がどの程度の性能に相当するかの目安が公開されている。3DMarkのスコアと同様に、ここでもNEXTGEAR i620SA5-SPが圧倒的な性能を見せつけた。

■STREET FIGHTER IV
3年前10万円PC i620SA5-SP
解像度1280×1024設定 151.29 fps 400.84 fps
■モンスターハンターフロンティア オンライン 【大討伐】
3年前10万円PC i620SA5-SP
解像度1280×1024設定 6045 Score 20329 Score
■BIOHAZARD 5
3年前10万円PC i620SA5-SP
解像度1280×1024設定 67.2 fps 159.3 fps
■Final Fantasy XIV
3年前10万円PC i620SA5-SP
Low(1280×720)設定 2932 Score 6996 Score

最後に一応、NEXTGEAR i620SA5-SPでないと動かない、DirectX 11世代の人気ゲームタイトルをテストした際のスコアも軽く紹介しておくが、「Battlefield 3」では1680×1080ドットの解像度に、その他設定はデフォルトの状態で138fps、そこから解像度を1920×1080ドットのフルHDに変えても92fpsを叩き出した。もう1タイトル、GPU負荷が高いことで知られるCrysis 2でも、1680×1050ドットで91fps、1920×1080ドットで62fpsという結果が確認できた。30fpsあれば問題なく、60fps以上ですこぶる快適という目安なので、ともに非常に良い結果である。

3年間というとそれほど長くない期間のようにも思えるが、ゲーミングPCにおいては、10万円価格帯のモデルという、もともとコストパフォーマンスに優れるモデルであっても、対決するまでも無いほど明確な性能差が確認できてしまう。その上、前述のDirectXのサポートの件も含めれば、そもそも遊びたいゲームがあっても完全には対応できないという、如何ともし難い壁すらも立ちはだかることがあり得る。"3年"という期間は、かなり大きな差になることが、改めて確認できたと言えるだろう。

NEXTGEAR i620SA5-SPでは、NVIDIA Kepler世代のパフォーマンスGPU「GeForce GTX 660 Ti」搭載のグラフィックスカードを採用。最新のゲームでバリバリ遊べる性能が標準で手に入る

となると物欲が刺激されるわけだが、現行の10万円ゲーミングPCは、今回利用したNEXTGEAR i620SA5-SPのスペックを再度確認いただきたいが、ちょうどIntelの新世代CoreであるIvy Bridge世代のIntel Core i7を搭載し、グラフィックスもDirectX 11世代をサポートし、GPUコアごとKepler世代にリフレッシュしたばかりのNVIDIA GeForce GTX 660 Tiだ。アーキテクチャ的にはWindows 8登場後も型落ちの心配が無く、今後もしばらくは主流となる構成に切り替わったタイミングであり、今後に備える目的でも、買い替えや新規購入の時期として悪くないだろう。