NEX-F3のいちばんの見どころは、180度チルト可動式の液晶モニターを搭載し、モニターを見ながら"自分撮り"が可能になったこと。従来モデルの可動の角度は上80度、下45度だったが、NEX-F3では上180度、下13度に対応。下方向の角度が狭くなった点は残念だが、自分撮りがしやすくなったことは、スナップや記念写真を撮る用途では大きなメリットになるだろう。

液晶モニタを180度回転した状態。液晶の明るさは-2~+2の範囲でマニュアル調整できる

下向きの角度は最大13度。上方向への180度可動を実現したため、下方向にはあまり可動しない

また自分撮り用のサポート機能として「自分撮りセルフタイマー」を搭載した。この機能では、液晶モニターを180度回転させると同時に、3秒のセルフタイマーが自動的にオンになる。その3秒の間にグリップを握り直して、しっかりとカメラを支えて撮ることが可能だ。液晶モニターには、約92万ドットの3型ワイドTFTを採用する。視認性は屋外でも大きな問題のないレベル。タッチパネル操作には対応していない。

自分撮りセルフタイマーでは、シャッターボタンを押してから3秒後に撮影が行われる

グラフィカルなデザインのトップメニュー。メニューやボタンなどの基本的な操作系は、これまでのシリーズを踏襲する

電源を入れると約1.5秒で液晶モニターが表示され、撮影スタンバイの状態になる。撮影モードは、シーンの自動認識が作動する「おまかせオート」のほか、「プレミアムおまかせオート」、プログラムAE、絞り優先AE、シャッタースピード優先AE、マニュアル、スイングパノラマ、3Dスイングパノラマ、人物ブレ軽減、シーンセレクションの計10モードを搭載。これまでと同じくモードダイヤルはなく、メニューボタンを押してトップメニュー画面で切り替える仕組みだ。

撮影モードの「プレミアムおまかせオート」は、NEXシリーズでは初めて搭載したモードだ。これを選ぶと、通常のシーン認識に加えて、シーンに応じて「手持ち夜景」や「オートHDR」が自動的に選択され、連写と合成が行われる。設定をすべてカメラ任せにして撮りたい人に向けたモードといえる。

ほかにも、ビギナー向けのサポート機能が充実。例えば、「オートポートレートフレーミング」では、人物撮影の際に三分割法に沿って画像をトリミングして記録でき、「撮影アドバイス」機能では、シーンに応じた撮り方の解説テキストを液晶上に表示できる。また「マイフォトスタイル」では、色や明るさ、鮮やかさなどの5項目を背面のホイール操作で素早く調整できる。

従来モデルと同じく、トップメニューから撮影モードを選ぶと、画面右にバーチャルダイヤルが表示される

撮影アドバイス機能では、さまざまなシーンに応じた撮り方のコツをテキストと作例で解説してくれる