ソニーグループの製品と連携するネットワークレコーダー・メディアストレージ「ナスネ」

ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が2012年4月に発表したネットワークレコーダー・メディアストレージ「nasne(ナスネ)」は、地上デジタル・BS・110度CSの3波対応テレビチューナーを搭載し、500GBのHDDを内蔵したレコーダー製品だ。

ネットワーク経由での利用を前提としており、直接テレビに接続はできず、PlayStation 3(PS3)やVAIO PC、Androidスマートフォン「Xperia」、Androidタブレット「Sony Tablet」といった製品からアクセスして利用する、ネットワークレコーダーとして位置づけられている。

今回、7月19日の発売を前に開催された報道関係者向けの体験会で、XperiaやSony Tabletにおける利用シーンをチェックしてみたので紹介しよう。

スマートフォンやタブレットで快適に動作するネットワークレコーダー

ナスネは、HDMIなどのAV出力端子を持たず、テレビに直接接続して画像を出力することはできない。その代わり、100Base-TX/1000Base-TのLAN端子を備えており、テレビ放送をネットワーク経由で配信することができる。テレビ放送は、地上デジタル放送に加え、BSデジタル、110度CSという3つの放送波を1つのアンテナ入力端子から受信する。

ナスネはネットワークレコーダーとメディアストレージの機能を備える。現時点ではネットワークレコーダーの機能だけで、メディアストレージは発売前のアップデートで対応するという

ネットワークレコーダーとしては、ネットワーク越しにナスネを操作してテレビの録画、視聴をしたり、PS3やSony Tabletなどに配信したりといった機能を備えている

ナスネの主なスペック

ナスネの背面。一番上に外付けHDD用のUSB2.0ポート、その下にギガビットイーサ端子がある

直接テレビに出力する一番簡単な方法は、PS3を使う方法で、この場合PS3の「トルネ」ソフトを使ってナスネにアクセスし、PS3のコントローラーでテレビを視聴したり、番組表から番組録画をしたり、録画した番組を再生するといったことができる。その場合も、直接ナスネをコントロールするのではなく、ネットワーク越しにナスネにアクセスして操作する形となる。

PS3経由でナスネの画面をテレビに出力。「トルネード」の語源の通りに快適に動作するトルネソフトウェア

前述の通り、ナスネはPS3がなくても、XperiaやSony Tablet単体で利用することができる。XperiaおよびSony Tabletから利用する場合は、それぞれの端末からナスネに無線LAN経由でアクセスする形になり、通常のレコーダーのようにテレビに画面を表示して操作するということはできない。

Xperiaでは、DLNA+DTCP-IP対応の「Connected devices」アプリを利用する。これは、既存のXperiaシリーズにもプリインストールされているもので、ソニーの液晶テレビの「BRAVIA(ブラビア)」やPS3などのネットワーク機器からXperiaのメモリカード内のコンテンツにアクセスできるようにするDLNAサーバーアプリだ。これを利用することでナスネにアクセスできるようになる。

現時点では2012年夏モデルのXperia SX SO-05DとXperia GX SO-04Dの2モデルが対応する予定。その他の機種に関しては今後随時対応する予定。

Xperia GXでナスネの録画番組を再生したところ

利用するのはConnected devicesアプリ(右のアイコン)。左のアイコンのS-Entranceから後述する「CHAN-TORU」にアクセスする

Sony Tabletでは、ソニー製レコーダーにアクセスし、録画済みの番組を再生してタブレット上で視聴できる「RECOPLA」アプリを使用する。7月にナスネ対応アップデートが提供され、利用できるようになる。Sony TabletのタイプP、タイプSともに利用可能だ。

Sony Tablet S/Pで動作する「RECOPLA」アプリ

Sony Tablet Sで録画番組を再生しているところ