そこで登場するのがクローンOS。欧州を中心に一時代を築いたAmiga OSを好むユーザーも多く、いくつかのAmigaクローンOSが作られてきました。そのひとつが「AROS Research Operating System(以下、AROS)」です。もともとAROSは"Amiga Research Operating System"の略称でしたが、AmigaとHyperion Entertainment両者の法的な争いのなかAmigaという名前が使えなくなり、GNUと同じ再帰的頭字語を用いた"AROS Research Operating System"に変更されました。
1995年からAaron Digulla(アーロン・ディギュラ)氏が中心となって開発が始まったAROSはAmiga OS 3.1をベースにしており、一般的なコンピューターで動作しますが、MC68000を搭載するAmigaと、Intel/AMD系のCPUを用いている現在のコンピューターではCPUが異なるため、バイナリベースでの互換性はありません。しかし、ソースコードレベルでは互換を実現していますので、デスクトップから漂うAmiga独特の世界観を感じ取れるでしょう。また、公式サイトには、開発環境やドキュメントなどが充実していますので、FAQなどは翻訳ツールを使って一度目を通すことをお勧めします。
ただしAROSはLinuxやFreeBSDベースのため、大抵のコンピューターで動作するものの、仮想化用ソフトウェアで試す場合は64ビット環境を前提にしたスナップショットは正しく動作しない場合があります。そのため、日々生成されるNightly builds(ナイトリービルド)の「pc-i386-boot-iso」を選択してください(図07~08)。