HTC NIPPONは27日、都内でプレス向け説明会を行った。同説明会では、今後の開発戦略の紹介や今年2月末にバルセロナで開催されたMobile World Congress 2012で発表した最新グローバルモデル「HTC One」の3製品「HTC One X」「HTC One S」「HTC One V」の実機の展示が行われた。

CPUにクアッドコアを搭載するHTC One X

登壇する村井良二氏

説明会では始めに、同社代表取締役社長の村井良二氏より同社の商品開発に関するコンセプトの説明があった。同氏が繰り返して強調していたのは、HTCの社是でもある「ユーザー目線で商品を開発する」ということ。具体的には「スペック競争のために商品をつくるのではなく、ユーザーが実生活でどのように使っているか、に基づいて開発を行う」ということだった。その思いが最もよく現れているのが、「HTC Sense」と呼ばれる同社独自のユーザーインターフェース。今回発表された3機種には、いずれもシンプルで使いやすい最新の「HTC Sense 4.0」が採用されている。

UIにはHTC Sense 4.0を搭載し、より使いやすくなった

HTCでは「お客様中心、サプライズ、シンプリシティ、内に秘めた力」の4つのキーワードを軸に商品開発を行っている(写真左)

登壇して新製品について説明する小寺康司氏

同氏は「商品を作りこんでいくと、どうしても競合他社との競争になり、カタログ上の値をよく見せようとスペックや最新機能をいたずらに追求してしまう。その結果、使わない機能が多くなり、ユーザーに"スマートフォンは難しくて嫌い"という誤った印象を与えてしまう」と分析する。HTCでは、今後とも「どうやればユーザーに最良の経験をしてもらえるか」を考え、商品開発に活かしていくとのことだった。

続いて登壇した同社CPO(チーフ・プロダクト・オフィサー)の小寺康司氏からは、今回発表されたHTC Oneシリーズについて説明があった。3モデルに共通の機能としては、「Beats By Dr. Dre Audio」に対応したことによる音質の向上と、一連の画像機能「ImageSense」を搭載したことなどによるカメラ機能の向上が特記事項として挙げられる。

HTC Oneシリーズは音質とカメラ機能が著しく向上している

一眼レフカメラ並みの高速連写(0.7秒間隔)に対応し、ビデオ撮影中にも写真撮影が可能になった

HTC XとHTC SではF値2.0の明るいレンズを採用し、暗所での撮影が可能になった。また、デフォルトでHDR撮影に対応する

HDR撮影を利用すれば、逆光など条件の悪い場面でも「目で見たまま」の綺麗な写真が撮影できる

音楽の面では「Beats Electronics」の技術により、高品質なサウンドが楽しめる