半導体製造メーカーの米GLOBALFOUNDRIESは6月16日(欧州時間)、トップ人事の変更ならびに、継続的な投資で今後18カ月で製造キャパシティを倍増させる計画を発表した。今回の発表により米AMDならびにシンガポールのChartered Semiconductor Manufacturingから同社に参加していた2人のトップ役員が退任し、代わりにSpansion出身のAjit Manocha氏が暫定CEOに就任した。このほか、会長職にGLOBALFOUNDRIESの出資企業であるアブダビ首長国のATIC (Advanced Technology Investment Co.)から2人の代表が就任している。

今回退任するのはAdvanced Micro Devices (AMD)役員出身のDoug Grose氏と、2009年に合併を行ったChartered Semiconductor Manufacturing元CEOのChia Song Hwee氏の2名。GLOBALFOUNDRIESでの役割はGrose氏がCEO、Hwee氏がCOOだった。この2人に代わり、前述のように半導体業界の経験が豊富なAjit Manocha氏が暫定CEOに就任し、James Norling氏が取締役会長に、Ibrahim Ajami氏が副会長にそれぞれ同日付けで就任している。Manocha氏はあくまで暫定でのトップ就任ということで短期的な戦略にフォーカスを絞って同社を牽引し、今後継続的なCEO選定をすでに始めている状態だとNorling氏は説明する。この人事についてGLOBALFOUNDRIESでは、ATICの意向を受けて役員会主導で進めたもので、より経営戦略を加速するための措置だとしている。なお、Grose氏は今後もGLOBALFOUNDRIESに留まる形で、同社ならびにATICのシニアアドバイザーに就任する。一方のHwee氏はシンガポールへと戻って将来的なビジネスの可能性を模索することになる。

GLOBALFOUNDRIESによれば、ATICは2011年5月終了時点までで60億ドル規模の投資を行っており、そのうちの2億が元AMDのドイツのドレスデン工場に、3億がCharteredのシンガポール工場、残り1億が現在米ニューヨークで建設中の最新プロセスを用いた工場ということになる。ATICではさらに60億ドルをこれら3拠点へと投資し、計120億ドルの投資をもって製造キャパシティを今後18カ月の2012年いっぱいまでに倍増させる計画だという。