ソニーは20日、ホームシアターシステム「HT-FS3」を発表した。発売は11月21日。価格はオープンで、市場価格は、2万3,000円前後と予想される。

左右のフロントチャンネルとサブウーファーだけで、「S-Force PROフロントサラウンド」による臨場感の高いサウンドを実現する「HT-FS3」

臨場感の高いサラウンド再生には、5.1chのスピーカーの設置というのが標準的なスタイルだ。しかし、設置場所などの問題から、なかなか導入には踏み切れないというケースも多い。そういった層に人気なのが、そこまで大掛かりにならなくても、サラウンド再生を行える、バーチャルサラウンド環境だ。HT-FS3は、フロントの2chとサブウーファーの3本のスピーカーでサラウンド再生を行うシステム。フロントのスピーカーだけで、サラウンドチャンネルからの音や、壁などからの反射音を再現する「S-Force PROフロントサラウンド」を採用している。なお、S-Force PROフロントサラウンドは、直接音のみでサラウンド再生を実現するシステムで、壁などへの反射を利用してバーチャルサラウンド再生を行うシステムに比べて、部屋のサイズや形状の影響を受けにくいという特徴を持つ。フロントスピーカーは、65mmフルレンジユニットを使用したバスレフ型で、102(W)×163(H)×77(D)mmというコンパクトなサイズ。テレビサイドへの設置でも邪魔にならない。サブウーファーは、212(W)×374(H)×364(D)mm。実用最大出力は、フロントの左右がそれぞれ100Wで、サブウーファーが200W。搭載しているアンプは、フルデジタルの「S-Master」。

HDMI端子は、3入力/1出力を装備。ARC/3D映像の伝送には対応していないが、CECには対応しており、同社のブラビアリンクや他社製のリンク機能に対応した機器との連動動作が可能だ。利用できる機能は、電源の一斉オン/オフ、音量調整、自動入力切り替えなど。また、ブラビアと接続している場合には、オートジャンルセレクターも利用可能。スタンダード、ムービー、ドラマ、ニュース、スポーツ、ミュージックの6種類のサウンドフィールドを、EPGからの情報をもとに自動的に切り替えることが可能だ。またHDMIパススルー機能も搭載されており、HT-FS3の電源を入れていない状態(スタンバイ状態)でも、HT-FS3のHDMI端子に接続されている機器からの信号をテレビに送ることができる。なお、スタンバイ状態でテレビに出力される信号は、3系統あるHDMI入力のうち、スタンバイ状態になる直前に選択されていたものとなる。HDMI以外には、デジタル×3(光×2/同軸×1)、アナログ×1の音声入力端子を装備。さらに、「TDM-NW10」などのアダプターを利用してウォークマンを接続するためのデジタルメディアポートも装備する。なお、サブウーファー部分には、FM20局/AM10局のプリセットが可能なチューナーも内蔵されている。

HDMI端子は、3入力/1出力を装備

HT-FS3が対応しているサウンドフォーマットは、ドルビーデジタル、DTS、ドルビープロロジック、ドルビープロロジックII、MPEG-2 AAC、リニアPCM(2ch/5.1ch/7.1ch)。低価格で手軽に使えるフロントサラウンドシステムであるHT-FS3では、ドルビーTrueHD、DTS-HD マスターオーディオなどには対応していない。