止まらない世界観のダイナミズム! 歯止めの効かないクレイトスのバイオレンス!

先ほども述べたように、今作も基本的にはゴールを目指す「お化け屋敷的一本道」な進行ではあるが、さすがはPS3上の「ゴッド・オブ・ウォー」。そのダイナミズムたるや過去3作品を遙かに超越している。もう、お化け屋敷と言っても東京ドーム何十個分という規模の広さである。

ゲーム開始直後は、図らずも「打倒ゼウス」の目的を同じくしているタイタン族との共闘のシーンとなるのだが、クレイトスには前作までと同じような荒れ地での戦闘シーンが与えられる。しかし、グワーっとカメラがシームレスに引いたかと思うと、なんだか前作までを遙かに上回る巨大さでタイタン族の全身が描き出される。

「あれ?、いつもの荒れ地での戦闘?」と思いきや

巨人タイタン族の身体の上での出来事でした。ちなみに、この巨人はガイア。巨乳です

海神ポセイドンの手先リバイアサンがガイアを苦しめる。体積比、数万:1のバトル勃発!

そう、「代わり映えのしない"いつもの荒れ地"」だと思われた場所は、タイタン族の身体の一部だったのだ! クレイトスはタイタン族の身体の上で戦闘を行っていた……という状況説明がゲームプレイと同時進行で語られることになるわけで、これを見せつけられるとプレイヤーは頭の中に、パァっと広大な世界観が広がるのを止められない。『GOW3』は、ゲームプレイの本質もパワーアップしているが、それ以上にプレイ感覚として、ゲーム体験としてのダイナミックレンジの広がりを半ば強制的に感じさせられてしまうのである。

ザコを振りはらったかと思いきや、今度は天上界を目指してよじ登るタイタン族たちを蹴落とそうと海神ポセイドンの手先、海獣リバイアサンが邪魔をしてくる。これを排除するためにクレイトスは、体積比にして数万:1の戦いに挑むことになる。こうした圧倒的なエピックスケール感の表現は、「GOW」シリーズの特徴ではあったが、『GOW3』ではPS3のハードウェア性能の進化もあって、その伸び率が尋常でないくらい大きくなっている。筆者の適当な目視換算だが、『GOW1』では数十:1、『GOW2』では数百:1だったところが、『GOW3』では数万:1にまで至ったのだ。この「体積比、数万:1の戦い」は全編を通して度々巻き起こり、ある意味、今作の表現の特徴にもなっている。

共闘していたタイタン族も結局、身勝手なクレイトスに怒り心頭!! 体積比、数万:1のバトルを刮目せよ!

(次ページへ続く)