おわりに~ゴールデンウィークはギリシャ神話にハまれ!

筆者は、レビューであることを忘れて没頭してしまい、結局、エンディングまで一気にプレイしてしまったのだが、PSP版も含めて全作を通してプレイしてきた自分にとって、『GOW3』のラストは、非常に心を揺さぶられるものであった、と述べておく。まさにクレイトス・サーガの終演に相応しい終わり方であったと思う。ゲームプレイの楽しさは『GOW3』単体をプレイするだけでも十分味わえるだろうが、ラストシーンでの感動は、PSP版、『GOW1』『GOW2』『GOW3』と通してプレイしないと味わえないと思う。是非ともゴールデンウィークは、渋滞にハマって疲れるくらいならば、クレイトス・サーガを一気に楽しんで心地よい疲労感を味わってほしい。

あまりにも強い絶対神「ゼウス」。クレイトスとは言えども、こんなやつを倒せるのか? 大体において、髪ふっさふさだし……

さて、気になる続編だが、これについては何のアナウンスもない。と言うか、一応、開発会社側からは「クレイトス・サーガは完結した」というアナウンスも出ているので、すぐに「クレイトス再臨」となることはないように思える。だからといって、プレイステーション・プラットフォームのアイコンキャラクター、いうなれば「ゴッド・オブ・プレイステーション」にまでのし上がったクレイトスをこのまま時間経過の彼方に追いやってしまうのはもったいないとも考えているはず。とはいえ、結局のところ、我々は次の動きについては見守るしかない。

ところで、『GOW3』をプレイして頭の中が完全にギリシャ神話に染まっちゃった人で、時間的余裕がある人は、『機動戦士ガンダム』のコミカライズで有名な安彦良和氏の名作『アリオン』もオススメしておきたい。こちらの主人公は全然バイオレンスなオヤジではないが、ギリシャ神話をベースにしつつ荒々しい神々と猛々しい人類との戦いが描かれるメインテーマには「GOW」シリーズと通ずる部分がある。同じ神殺しを描いたアリオンの物語の結末は『GOW3』のラストとはまったく違ったものではあるが、読破して息をついたときの安堵感は『GOW3』に近いものがある。

最近、公開されたばかりのファンタジーアクション映画『タイタンの戦い』も、「GOW」シリーズと同じ人間対神の戦いを描いたものだが、こちらもオススメだ。この映画では、全能の神ゼウスと人間の女の間に生まれた、人間と神のハーフの主人公ペルセウスが人類の未来を賭けて神殺しの戦いに挑むというお話になっている。神殺しというテーマ、スケール感を無視した巨大な魔物に挑んでいく描写は「GOW」シリーズに近く、「GOW」ファンならば違和感なく楽しめるはずだ。

ちなみに、我らが「GOW」ワールドでは、ペルセウスはヒーロー気取りのイケメン・ナルシストとして登場してクレイトスに戦いを挑むが、剣を折られるわ、水攻めにされるわ、蹴飛ばされて串刺しにされるわの仕打ちを受けて倒されている。この辺りも踏まえればさらに楽しめるはず(?)

(トライゼット西川善司)

ゲームタイトル ゴッド・オブ・ウォーIII
メーカー名 ソニー・コンピュータエンタテインメント
対応機種 プレイステーション 3
ジャンル アクション
発売日 2010年3月25日 (発売中)
価格 5,980円
CEROレーティング Z (18才以上対象)
(C)2010 Sony Computer Entertainment America Inc.