バイオレンス表現も、歴代「GOW」シリーズでナンバーワン、間違いない。とにかくクレイトスの荒くれぶりに歯止めが効かない。

「GOW」シリーズを通してのお馴染みの中ボス的存在、一つ目大男のサイクロプスは、今作ではクレイトスにタコ殴りにされたあげくメンタマを引っこ抜かれる。ギャー。半人半馬のケンタウロスは今作ではサイクロプス並みの巨体での登場となるが、腹部をザクザク斬られて内臓をぶちまけられる。獅子/山羊/ヘビの合体獣キメラは角を引っこ抜かれてその角で頭部を串刺しにされる。ゲゲー。浮遊する生き霊魔女のセイレーンへのトドメは鯖折り。バキ! 女性の姿をしているからクレイトスなりの愛情表現なのか……。

今作においてだいぶ巨大化したケンタウロス。しかし、クレイトスもパワーアップしていて、結局はやられ役!?

今作でもハーピーさんたちは羽根をもがれまくります

群れで襲い来る巨大スコーピオン。「海老フライ、一丁上がり!」とクレイトスは言ってない

今作ではエリートクラスのサイクロプスは目隠しヘルムをかぶっている。クレイトスからのメンタマもぎ取られ対策か?

なんというか、このスケール感を超えた冷徹かつ堅固なクレイトスの強さって、「沈黙」シリーズでお馴染みのスティーブン・セガールとよく似てる。セガール主演の映画『沈黙の戦艦』や『暴走特急』のラストバトルで、主人公のセガールよりも敵ボスに対して「がんばってぇ」の声援を送ってしまったのは筆者だけではないと思うが、クレイトスには、プレイヤーに、そんなアンチヒーロー的な感情を抱かせるまでの"強さ"がある。

今作では、神への復讐に燃えるクレイトスは、神々への攻撃についても容赦がない。今作における「数々の謎」を解き明かすための鍵となる懐中電灯的アイテムは太陽神ヘリオスを倒すことで入手できるのだが、その入手方法が凄すぎるのだ。

ブッ倒されてへろへろの戦意喪失で瀕死状態のヘリオスのドタマを、クレイトスは掴み、そのまま引っこ抜いて、腰元のおしゃれポシェットに忍ばせるのである。"This is ギリシャ神話"、"This is バイオレンス"といった風情である。なお、ヘリオスの生首を引っこ抜くにあたっては「CSアタック」が発動し、プレイヤーにはボタン連射の指示が出されるのだが、生首を引っこ抜くためにボタン連射している自分の姿がおかしくて笑ってしまうこと必至だ。

太陽神ヘリオスの首チョンパ発動!

太陽神ヘリオスの生首の叫び声は光となってあたりを照らす。クレイトスはLEDよりも圧倒的な省エネな懐中電灯を携行するのであった

さて、今作は、謎解きもパワーアップしていて手応えのある内容になっている。スイッチの上げ下げでは終わらない、物理法則を応用した高度な機械仕掛けのパズルから、音楽ゲームのようなリズム感と早押しが試される楽しいパズルもある。ボス戦においては、登場するそのボスへの攻撃手段そのものがパズルになっている場合もあり、かなりゲームとしてチャレンジングだ。

先ほども少し触れたが、筆者的に今作で最も楽しかったパズルは、ヘリオスの生首を使った謎解き。「怪しい岩壁」にヘリオスの生首で照らすと岩壁が消えて洞窟が出現するし、キラキラ/モヤモヤと蠢いている場所に対してあてれば黄金の宝箱が出てくる。クレイトスが「怪しい場所」に近くづくとコントローラが振動しだすので、これを感じたらIt's a 生首タイム! 生首を取り出して隠された秘密を暴いてやろう。

それにしても、腰元ポシェットから生首を出し入れするクレイトスの姿は、ちょっとだけかわいく見える。いうなれば"恐ろカワイイ"?

今作を特徴付けているおもしろパズルの1つ「ミューズの間」。GOW3ではついにクレイトスが音楽リズムアクションに挑む!

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