今作のゲージは3本。体力と魔力と、そしてアイテムゲージだ。アイテムそのものは使用してもなくならないが、使えるのはアイテムゲージが溜まっているときに限定される。ただし、このアイテムゲージはかなり高速に自然回復するため、よほどのことがない限りは、連続使用が可能だ。体力と魔力については、「GOW」シリーズでのお約束。それぞれ緑と青のオーブを獲得することで回復する。
武器やアイテムのアップグレードシステムも前作と同様で、経験値に相当する赤オーブを武器やアイテムに対してチャージしていくことで行う。赤オーブは、敵を倒したり、何かを破壊したり、あるいはオーブの入った宝箱を開けることで出現し、自動的に回収できる。この辺りのゲーム文法は古くは古典RPG、近年で言えば「デビルメイクライ」などが編み出したものと同じだ。
ゲージのアップグレード(増加)は、今作もレアアイテムを3つ集めることで行える。具体的には「ゴルゴンの目」は体力ゲージ、「フェニックスの羽根」は魔力ゲージ、「ミノタウロスの角」はアイテムゲージを増加させる効果がある。こうしたレアアイテムは黄金の宝箱に入っているのだが、この宝箱に到達するまでにはちょっとしたパズルや試練をクリアしなければならないことが多い。この部分は、このゲームの数少ないサブクエスト的要素と言ってもいいかもしれない。
『GOW2』の直後という設定である今作では、クレイトスの背中に翼が生えている。この翼は普段は不可視だがひとたび[×]ボタンでジャンプ動作を行うとワサワサと生え出してくる。前作を知らないプレイヤーは「なんだこれ?」と思うかも知れないが、これはクレイトスが『GOW2』にて、イカロスをぶち殺して奪った「イカロスの翼」で、今作ではこの翼の効果「滑空」を[×]ボタンのジャンプ長押しで引き出すことができる。実質的にジャンプ距離を伸ばすことができる「滑空」は、今作の地形パズルを解き明かす上では欠かせない要素となっている。ちなみにギリシャ神話にはイカロスの父ダイダロスが出てくるが、『GOW3』の世界でもちゃんと登場してくる。ダイダロスは、イカロスの翼を付けたクレイトスの姿を見て、息子がこのハゲオヤジに殺されたことを知ることになるわけだが、このご対面シーンは、ギリシャ神話ファンにとっては見どころの1つと言えるかも知れない。
「GOWシリーズがほぼ開祖」と言ってもいいくらい、後のゲームに絶大なる影響を与えたQTE(クイックタイムイベント)。今作では派手さを増しているだけではなく、遊びやすく改良も施されている。ちなみに、「GOW」シリーズでは「QTE」とは呼ばずに「CS(コンテキスト・センシティブ)アタック」と呼ばれている。
この「CSアタック」とは、ムービー(カットシーン)中にプレイヤーに的確なコントローラ操作を要求してくるミニゲーム的イベントのこと。今作では押すべきボタンやスティック操作の指示が、実際のコントローラ上のボタンやスティックの相対位置を連想しやすい画面位置に出てくるようになっている。例えばPS3のコントローラの[△]ボタンは上の方にあるので、「CSアタック」の指示において「[△]を押せ」指示は画面内の上の方にしか出ないし、同様に[□]ボタンは左にあるので、「[□]を押せ」指示は左側にしか出てこない。地味な改善だが、ストレスなく直観的なボタン押しがスリリングに楽しめるので個人的にはとても好感触であった。