「ThinkVantage」のコンセプトも継承
冒頭でも軽く触れたが、ThinkPad X100eでは、ThinkPadの導入・バックアップなどの運用管理、ネットワークの設定やセキュリティ対策などのツール類「ThinkVantageテクノロジー」が利用できる。ThinkPadのユーティリティー・メニューを起動するThinkVantageボタンは非搭載となるが、HDDを安全に保護する「Active Protection System」、ネットワーク接続支援プログラム「Access Connections」、バックアップ・復旧を行う「Rescue and Recovery」など、ThinkPadユーザーおなじみのソフトウェアが利用可能だ。
ThinkPad X100eのパフォーマンスを検証
最後にパフォーマンスについて触れておく。前述した通り、ThinkPad X100eは、CPUにAthlon Neo MV-40(1.6GHz)、チップセットにAMD M780Gを採用している。試用機は2GBメモリ、250GBのHDDを搭載したモデルで、OSはWindows 7 Home Premiumだ。
この試用機のパフォーマンスを、Windows 7に実装される性能評価機能「Windows エクスペリエンス インデックス」とベンチマークソフト「3DMark06」「PCMark05」で測定した。以下がその結果だ。
■3DMark06(解像度:1,024×768ドット) | |
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3DMark Score | 1063 |
SM2.0 | 363 |
HDR/SM3.0 | 445 |
CPU | 610 |
■PCMark05 | |
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PCMark | 1850 |
CPU | 2123 |
Memory | 2606 |
Graphics | 1336 |
HDD | 5198 |
Windows Experience Indexの総合値は「3.1」。さすがに高負荷をかけた状態(スーパーπ実行中)の動作は機敏とは言えなかったが、テキストエディタやWebブラウザを中心に利用する分には、まったく問題なく利用できた。特筆すべきは、AMD M780Gが内蔵するGPU「ATI Radenon HD 3200」の実力で、ゲーム用グラフィックスが4.8と比較的高い値を示した点だ。3DMark06のトータルスコアも1063をマークしている。
妥協なきエントリーモデル「ThinkPad X100e」
ThinkPad X100eは、手軽に購入できるモデルではあるが、ThinkPadのエントリーモデルとして妥協することなく作られた小型ノートPCだ。長年のThinkPadユーザーはもちろん、これまでThinkPadが選択肢に上がらなかった方にもお勧めできるモデルに仕上がっている。
加えて、これまでのThinkPadにはなかったカラーバリエーションも魅力のひとつだ。アークティック・ホワイトとヒートウェーブ・レッドの洗練されたカラーリングは、女性も安心して使用できるだろう。
筆者は、今回お借りしたヒートウェーブ・レッドがすっかり気に入ってしまった。筐体の鮮やかなレッドとキーボードやバッテリ部のブラックの配色に、これまでのThinkPadにはない上品さを感じた。ThinkPadのつや消しのブラックのカラーリングと無骨なデザインに魅力を感じている方は多いと思うが、鮮やかでスマートなThinkPadも魅力的なので是非一度手にとってみて欲しい。
■試用機の主な仕様 | |
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製品名 | ThinkPad X100e |
CPU | AMD Athlon Neo MV-40(1.6GHz) |
チップセット | AMD M780G |
メモリ | 2GB |
HDD | 250GB |
ディスプレイ | LEDバックライト付き11.6型HD液晶(1,366×768ドット) |
ネットワーク | IEEE802.11b/g/n対応無線LAN、10/100/1000BASE-T対応有線LAN |
インタフェース | USB 2.0×3(うち、電源供給型Pwered USB×1)、4in1メディア・カードリーダ、ミニD-Sub15ピン、Blueetooth 2.1+EDR |
オーディオ | オーディオ機能デジタル・マイクロフォン/ステレオ・スピーカー、ハイ・デフィニション・オーディオ 準拠 |
OS | Windows 7 Home Premium(32bit版) |
サイズ/重量 | W282×D209×H15~29.5mm/重量1.5kg(6セルバッテリ搭載時) |
バッテリ駆動時間 | 約5時間(6セルバッテリ搭載時) |