ディスプレイ部は、本体を固定するラッチや液晶ベゼル部の縁取りが排除されたスマートなデザインになっている。筆者としては、ベゼル部の縁取りとラッチ部分にThinkPadらしさを感じていたので、少し残念に感じたが、デザイン的には排除したほうが美しいのかもしれない。
ディスプレイサイズは11.6型ワイド、最大解像度は1,366×768ドットとなっており、現行ThinkPadシリーズ最小サイズのディスプレイとなる。小型のディスプレイなので、実機に触れるまでは「さすがに作業しづらいだろう」と思っていたが、実際に使ってみると以外と快適に利用できた。縦横比率が16:9なので作業領域もかなり余裕があり、ブラウザの2画面表示なども快適に行えた。非光沢なので映り込みも少なく、明るさ、発色も特に気になるところは無かった。
6段キーボードの使い勝手は?
続いてキーボードの使い勝手だ。ThinkPad X100eでは、従来のThinkPadで採用していた7段キーボードではなく、6段のキー独立型のアイソレーション・キーボードを採用している。
キーピッチは縦横ともに約18mm。アイソレーションタイプなので、隣接するキーも識別しやすく、キー表面も凹型になっているので打ちやすい。低価格ネットブックなどのキーボードのようにフワフワした感触は皆無で、まったく不満なく利用できた。
なお、キーボードが6段になったことで、7段では右上にあった[PageUp][PageDown]キーが、右下のカーソルキーの周囲に配置変更されている。筆者のX61(7段キーボード)では、[PageUp][PageDown]キーを使う機会はめったになかったのだが、カーソルキーの周囲に配置されたことで途端に使用頻度が増した。テキストエディタやWebページをスクロールする際、[PageUp][PageDown]で大まかに移動させ、カーソルキーで微調整……といった具合に便利に使うことができた。
キーボード中央には、ThinkPadおなじみの赤いポインティング・デバイス「TrackPoint」が設置されている。アイソレーション・キーボードとのデザイン上の組み合わせも調和が取れており、操作感も従来のTrackPointと同じ感覚で利用できる。
なお、パームレストには「マルチタッチ・タッチパッド」が配置されているのだが、このタッチパッドが若干使いづらかった。左手の人差し指でTrackPointを操作していると、親指がタッチパッドにあたってしまい誤操作してしまうことが何度かあった。だが、意識して使っていれば解消できるレベル。マルチタッチ・タッチパッドは、2本指で拡大・縮小・回転などのマルチタッチ操作に対応しているので、継続して使っていれば便利に使えそうだ。
筐体底面は、パームレスト部に向かって傾斜がついており、それに沿ってHDオーディオ準拠のステレオ・スピーカーが設置されている。試しに音楽をかけながら数時間作業を行ってみたが、特に問題なく聴くことができた。ノートPCの内蔵スピーカーとしては、十分なレベルと言えるだろう。
X61がモノラル・スピーカーなので、ThinkPadで音楽を聴こうという発想自体でてこなかったが、このステレオ・スピーカーの音質であれば音楽を鳴らしても十分楽しむことができると感じた。