『2』は『1』の正統な続編

今作『2』は『1』の物語から少し経ってからのお話。ネイトは南国のリゾート地で優雅にバカンスを過ごしていたが、信用ならない旧友のオーストラリア人冒険家であるハリー・フリンと再会し、彼から不老不死の秘術が眠ると言われる桃源郷「シャングリラ」探しの冒険に誘われる。フリンから見せられた書物はなんとマルコ・ポーロ直筆の日記だった。

クロエ・フレイザー
女性冒険家でネイトとは昔恋人関係にあったようだ。明確な行動では示さないが今でもネイトに思いを寄せ、エレナを軽く敵視している

ハリー・フリン
ネイトと同業者だがモラルがなく腹黒い。信用ならないことは百も承知でネイトは彼と付き合っている

ゾラン・ラザレビッチ
本作のボス的存在。現在はテロリストのリーダーだが、その昔は東欧紛争で暗躍していた経歴を持つ。顔面の傷はその時代のモノ

「東方見聞録」を記したベネチア人のマルコ・ポーロは、当時のモンゴルや中国などのアジアで20年滞在した後、600人、14隻の大船団で故郷を目指したが、18カ月後、ヨーロッパに辿り着いたのは18人、1隻のみ。マルコ・ポーロは晩年「東方見聞録に記したことはほんの一部である」と語っており、失われた船団と乗組員の行方は歴史上のミステリーとなっている。

フリンがネイトに見せたマルコ・ポーロの日記には、故郷ヨーロッパではなく元々はシャングリラを目指して出航したことが記されており、そして彼自身がシャングリラに下り立ち、そこで巨大なサファイアの原石「チンターマニ石」と遭遇したことが記されていたのだ。さらに、その"かけら"を持ち帰ったということも。チンターマニ石は、それを手にしたものに強大な力を与えるという伝説があり、仮にそれが迷信だとしても宝石的価値だけでも計り知れない。

ネイトとフリンは、そのかけらが隠されたと目されるマルコポーロ所以の遺物が眠るトルコの国立博物館への潜入を画策する。協力者として、ネイトのかつての恋人、現フリンの恋人(?)、クロエ・フレイザーも合流。互いに旧知のようで、実はその過去をあまりよく知らない者同士の微妙な三角関係の3人は首尾良くトルコの博物館へと忍び込む。しかしこのとき、ネイトは知らなかったのだ。フリンのスポンサーがボスニア紛争やコソボ紛争で暗躍した亡命戦犯で現テロ組織のリーダー、ゾラン・ラザレビッチだということを……。

圧倒的な高所恐怖症感を煽ってくる今作

『1』の冒険で多額の予算を使ったにもかかわらずカメラを失ってしまったために取材を棒に振ったエレナは、その頃、ジャーナリスト生命をかけた新たなドキュメント取材に着手していた。その相手とは失踪中のテロリスト、ゾラン・ラザレビッチ! 『1』でネイトと心を通わせたはずのエレナ。どうして2人は離れ離れになってしまったのか、またふたたび2人はコンビで活躍するのか。そうだとすれば、微妙な立ち位置にいるクロエはどうなる? 『1』をプレイしていれば、口先ばかりのヘタレ野郎であるネイトと、この2人のヒロインとの関係がどう展開していくかも気になるはず。

前作以上にシチュエーションも、人間関係も複雑さを増した『2』だが、実はロケーションの豊富さも『1』からスケールアップしている。『1』では無人島の環境とそこに点在する遺跡がゲーム世界のすべてだったが、『2』ではトルコの博物館に始まって、熱帯雨林のジャングルに渡り、ひいてはチベットの氷河世界へと飛び、最後は秘境シャングリラ内部へ……。前作『1』でもラスト付近の超文明的なSFテイストにはドギモを抜かれたものだが、大丈夫、そうしたオドロキ要素は今作にもちゃんとアリ! 期待は裏切らない。

今作はロケーションのバリエーションも豊富

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